「ほうとう」と「うどん」の違いとは?分かりやすく解釈

「ほうとう」と「うどん」の違い食べ物・飲み物

日本のめん料理「ほうとう」「うどん」は、どちらもめんが太くて見た目がよく似ていますが、どこが違うのでしょうか。

この記事では、「ほうとう」「うどん」の違いを分かりやすく説明していきます。

「ほうとう」とは?

「ほうとう」は山梨の代表的な郷土料理です。

小麦粉を打って作った太めの平たいめんを、かぼちゃ、季節の野菜、鶏肉などと一緒にみそ仕立ての汁で煮込んで作ります。

山梨の山間部は急斜面が多く米が育ちにくいことから、桑の栽培を休んでいる時期に麦を栽培するようになり小麦粉を使った料理が発達しました。

そのひとつが「ほうとう」です。

「ほうとう」の大きな特徴は、めんに塩を加えず寝かせずに煮るので、めんにコシが出ません。

そのため、小麦粉のでんぷんが溶け出して汁にはとろみが出ます。

具材は家庭や飲食店によっても異なりますが、かぼちゃを入れることが多くなっています。

名前の由来は、平安時代に食されていた「はくたく」にあるといわれます。

「はくたく」は小麦粉を水で練ったものを小さく切って煮ためんに近い料理です。

音が変化して「ほうとう」と呼ばれるようになったといわれます。

発祥した時期ははっきりしていませんが、少なくとも戦国時代または江戸時代には甲斐(現在の山梨県)の名物料理として広まっていたとされます。

現在は「農山漁村の郷土料理百選」に選ばれ、全国的にも知名度の高い鍋料理となっています。


「うどん」とは?

「うどん」は、日本で古くから食されてきた、小麦粉で作るめん料理です。

漢字では「饂飩」と書きます。

「うどん」は中力粉や薄力粉に塩と水を加えてよくこね、まとまった生地をしばらく寝かせてから、薄く伸ばして細く切り、ゆでたものを供します。

塩を加えてよくこねることで小麦粉に含まれるグルテンが生地に弾力性を与え、しっかりしたコシのある「うどん」ができます。

小麦粉から作る日本のめんには「素麺」「ひやむぎ」もありますが「うどん」はそれらより太いのが特徴です。

乾めんの場合は規格が定められており、太さが直径1. 7ミリメートル以上のものが「うどん」、それより細いものは「ひやむぎ」「素麺」に分類されます。

「うどん」の発祥については多数の説がありますが、遣唐使が長崎県に「素麺」として伝承した料理が元になって「うどん」として普及していったのではないかといわれています。

「うどん」は全国各地でさまざまな食べ方が発達し、多種多様な名前のうどん料理が存在しています。

特に「うどん」といえば香川県の「讃岐うどん」が有名です。

香川県はうどんの消費量が多いことから「うどん県」と名乗って観光PRにも力を入れています。


「ほうとう」と「うどん」の違い

「ほうとう」「うどん」の違いを、分かりやすく解説します。

「ほうとう」「うどん」はどちらも日本で古くから親しまれているめん料理です。

「ほうとう」は山梨の郷土料理で、小麦粉と水で作った太めの平たいめんをかぼちゃや野菜、肉などと煮込んだものです。

「うどん」は小麦粉に塩、水を加えて作っためんを切ってゆでたものです。

「ほうとう」は生地に塩を加えたりこねて寝かしたりしないので、コシが発生せず歯ごたえは柔らかくなります。

一方、「うどん」は小麦粉に塩を加え、生地をよくこねて寝かすことでコシがあります。

また「ほうとう」は調理法や食べられる地域が特定されていますが、「うどん」はかけうどん、ざるうどん、きつねうどん…など多種多様な調理法が発展しており、全国の家庭や飲食店で親しまれているところが「ほうとう」と異なります。

まとめ

「ほうとう」「うどん」は似ていますが、調理法、発祥した地域や時代が異なります。

めんの打ち方が違っているので、食べてみれば食感でその違いを感じることができるはずです。