見た目がそっくりで「同じ魚ではないか」と思われがちな「ぶり」と「かんぱち」は、どことが違うのでしょうか。
この記事では、「ぶり」と「かんぱち」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ぶり」とは?
「ぶり」はスズキ目アジ科ブリ属の体長約1メートル重さ約8㎏の海水魚です。
漢字では鰤、英語では“Amberjack”と表記されます。
大きいものだと1. 5メートルを超えることもある大型魚で、外見は左右にあまり平たくない紡錘型をしています。
体色は背が暗青色、腹は白色で、その境目は吻(口先)から尾の付け根まで黄色い縦線がまっすぐに通っています。
また、ヒレなども黄色が見られます。
「ぶり」は日本列島沿岸などを群れで遊し、春から夏にかけては北上、秋から冬にかけては南下し、12月から3月ごろに旬を迎えます。
また、冬に水揚げされる天然の「ぶり」は「寒ぶり」と呼ばれ、特に脂がのっておいしいことで知られます。
主な調理法は刺し身、煮魚、焼き魚、ぶり大根などです。
成長によって呼び名が変わる「出世魚」であり、体長80cmのものが「ぶり」と呼ばれ、稚魚や若い魚の呼び方は全国各地によっても異なります。
たとえば関東ではワカシ、イナダ、ワラサ、ブリと変わっていきますが、関西ではワカナ、ツバス、ハマチ、メジロ、ブリのような呼び方がされています。
「かんぱち」とは?
「かんぱち」は「ぶり」と同じスズキ目アジ科ブリ属で、体長約1メートルの海水魚です。
漢字では間八や勘八、英語では“Greater amberjack”と表記されます。
顔を正面から見た時に漢字の「八」の字に似た黒い帯が見えるため、「かんぱち」という呼び名が付きました。
大きなものだと2メートル近くになることもある大型魚で、外見は長い楕円形をしています。
体色は背が薄紫色、腹が銀白色で、その境目は「ぶり」と同様に黄色い縦線が走っています。
「かんぱち」は世界の温暖な海域に広く分布しており、日本の近海でも水揚げされる魚です。
「ぶり」と似ていますが、「ぶり」より脂が少なく上品な味で、特に刺し身に適しています。
また水揚げ量はそれほど多くないこともあり「ぶり」より高級な魚とみなされています。
地域によって呼び方が異なり「シオ」「アカバナ」など多くの呼び名があります。
また「ぶり」と同様に出世魚で地域ごとに稚魚や若い魚の呼び名も少しずつ異なっています。
「ぶり」と「かんぱち」の違い
「ぶり」と「かんぱち」の違いを、分かりやすく解説します。
これらの魚はどちらもスズキ目アジ科ブリ属の海水魚で、同属の「ひらまさ」とあわせ「ぶり御三家」「青物御三家」などと呼ばれます。
見た目は互いによく似ていますが、それぞれ別の魚で特徴も異なります。
見分け方は難しいといわれますが、「ぶり」のほうが体は平たく、尾びれやしりびれが黄色い、「かんぱち」は和名の由来にもなっている正面から見た顔の「八」の字の帯模様が見分けるポイントになります。
また切り身や刺し身も一見同じ物のように見えますが、よく見ると「ぶり」のほうが脂が多く、味も「かんぱち」のほうがあっさりして上品なので違いを知ることができます。
まとめ
「ぶり」と「かんぱち」は、種が近いこともあってとてもよく似ていますが、同じ魚ではありません。
出生魚でそれぞれたくさんの呼び名を持っているので混乱しがちですが、特徴や見分け方を知っていれば「ぶり」なのか「かんぱち」なのか見分けることが可能でしょう。