見た目も名前も似ていることから混同されがちな植物「ハルジオン」と「ヒメジョオン」にはどのような違いがあるのでしょうか?
この記事では、「ハルジオン」と「ヒメジョオン」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ハルジオン」とは?
「ハルジオン」は4月から6月頃に咲く多年草のキク科の植物です。
「シオン」(=紫苑)という名の花に似ており、春に咲くことから「春紫苑」=「ハルジオン」の名が付けられました。
手入れが行き届いていない貧乏な家に生えているなどの理由から、別名「貧乏草(びんぼうぐさ)」とも呼ばれており、「摘んだり、折ったりすると貧乏になる」という話もあるようです。
ちなみに、後述する「ヒメジョオン」と似ていることから、混同されて「ハルジョオン」と呼ばれたり、「ハルシオン」と呼ばれることもありますが、正しい名称は「ハルジオン」です。
今や関東を中心に雑草として目にすることが普通となっている「ハルジオン」ですが、もともとは北アメリカ原産の植物でした。
大正時代に園芸用として日本に輸入された後、野生で繁殖し帰化植物となっています。
「ヒメジョオン」とは?
「ヒメジョオン」は6月から10月頃に咲く一年草のキク科の植物です。
中国語で「ジョオン」(=女苑)の名で呼ばれる花に似ていることから「姫女苑」=「ヒメジョオン」という名が付けられました。
線路に沿うように広がって咲いていることから別名「鉄道草(てつどうぐさ)」とも呼ばれています。
先述した「ハルジオン」と似ていることから、混同されて「ヒメジオン」や「ヒメシオン」と呼ばれることもあるようです。
しかし、「ヒメジョオン」とは別種の「ヒメシオン」(=姫紫苑)という花があるため、「ヒメジョオン」を指して「ヒメシオン」と呼ぶのは誤りとなります。
「ヒメジョオン」も「ハルジオン」と同じく北アメリカ原産の外来種であり、江戸時代に観葉植物として日本に持ち込まれた後、明治時代にはすでに雑草となっていたようです。
「ハルジオン」と「ヒメジョオン」の違い
「ハルジオン」と「ヒメジョオン」の違いを、分かりやすく解説します。
いずれもキク科の花であり、北アメリカ原産の外来種ですが、「ハルジオン」が数年を跨いで生存する多年草であるのに対し、「ヒメジョオン」は1年の内に生長して枯死する一年草となります。
また、「ハルジオン」が4月から6月頃に咲くのに対し、「ヒメジョオン」は少し遅れて6月から10月頃に咲きます。
その他、見た目にも細かな違いを見ることができます。
例として、「ハルジオン」の花は「ヒメジョオン」の花よりも若干大きく、「ハルジオン」の花弁が細くて数が多いのに対して、「ヒメジョオン」の花弁は太くて数が少ないのが特徴です。
ちなみに、どちらも繁殖力が強く、在来種の植物や生態を脅かすことから「日本の侵略的外来種ワースト100」に選ばれています。
まとめ
・「ハルジオン」は4月から6月頃に咲く多年草のキク科の植物です。
「ハルジョオン」や「ハルシオン」と呼ばれることもありますが、正しい名称は「ハルジオン」になります。
・「ヒメジョオン」は6月から10月頃に咲く一年草のキク科の植物です。
「ヒメジオン」や「ヒメシオン」と呼ばれることもありますが、正しい名称は「ヒメジョオン」になります。