ほおずきというと、オレンジ色の鮮やかな姿を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
実はほおずきには食用と観賞用があります。
その違いについて紹介します。
ほおずきの食用とは?
ほおずきは、ヨーロッパなどでは昔から食用として食べられていました。
しかし、日本でほおずきが食べられるようになったのは最近のことです。
ほおずき自体は日本にも昔からありましたが、観賞用だったので食べるものではありませんでした。
1990年代頃から食用のほおずきも栽培されるようになりましたが、まだあまり知名度は高くありません。
ただし、見た目が可愛らしく栄養価も高いことからスーパーフードとして注目されています。
食用のほおずきの品種には、ストロベリートマトやゴールデントマト等があります。
トマトという名前が付いているように見た目がプチトマトに似ており、黄色い色をしています。
甘酸っぱくフルーティーで、生でそのまま食べられます。
また、ジャムにしたりゼリーなどに使われることもあります。
品種や産地によっては糖度がメロンほど高いものもあるようです。
ほおずきの観賞用とは?
観賞用のほおずきは、日本では古く親しまれてきました。
鮮やかなオレンジ色の袋が人目を引きますが、これはほおずきの萼という部分になります。
萼は果実を包んでいるものです。
茎や葉の緑とオレンジ色のコントラストが鮮やかで、黄色い花を6月から7月頃にかけて咲かせます。
お盆に飾ることが多いのですが、これはほおずきを提灯に見立てているからです。
お盆で家族の元に帰って来る先祖の霊を導くためにほおずきを飾る風習が生まれました。
この時期になると、日本の各地で「ほおずき市」が開催されます。
また、ほおずきは子どもの遊び道具として用いられることもあります。
果実の中身を取り除いて、風船のように膨らませて音を鳴らして遊びます。
食用と観賞用の違い
食用のほおずきは食べることができますが、観賞用のほおずきは食べることができません。
観賞用のほおずきには毒性があるため、口にすると腹痛などの症状が出ることもあります。
これは観賞用のほおずきに、アルカロイドという成分が含まれているからです。
食べると苦みもあるので、美味しいとは感じられません。
また、ヒストニンという物質も含まれていて、妊娠中の女性が食べると流産する恐れがあります。
ヒストニンには子宮を収縮する作用があるからです。
そのため江戸時代には、堕胎薬として用いられていたといわれています。
食用のほおずきは酸味もありますが、甘みもあって生で食べても美味しいです。
ジャムやドライフルーツなどに加工して食べることもあります。
それから食用と観賞用を比べると、見栄えが良いのは観賞用です。
まとめ
ほおずきの食用は甘く酸味もあって美味しいですが、ほおずきの観賞用は苦みがあって食べられません。
毒性もあるので、食べるのは危険です。
観賞用はお盆に死者を迎えるために飾られる風習があるので、日本では馴染み深いです。