一昨日のことを「おととい」と言ったり「おとつい」と言ったりします。
2つの言い方には、どのような違いがあるのでしょうか。
「おととい」とは?
「おととい」とは、今日を起点にすると2日前のことをいいます。
漢字では「一昨日」と書き、「おととい」と読むこともありますし「いっさくじつ」と読むこともあります。
日本の言葉には中国語を由来とするものも多いですが、「おととい」は日本で生まれたものと考えられています。
「おととい」は現在、標準語として使われています。
「おととい来い」とか「おととい来やがれ」といった使い方をすることもあります。
この場合の意味は、二度と来るなということです。
「おととい」は既に過ぎ去った過去のことなので、二度と来ることはできないことからこういった慣用句が生まれました。
相手を追い返す時に使います。
「おとつい」とは?
「おとつい」とは、今日から数えて2日前のことをいいます。
漢字では「一昨日」と書き、「おととい」と同じ意味の言葉です。
近畿地方や中国地方など西日本で主に使われています。
そのため「おとつい」は方言の一つといえるかもしれません。
「おとつい」の語源は、「遠つ日(をとつひ)」にあります。
「遠」という漢字には、距離が遠いという意味だけではなく時間的に遠いという意味もあります。
つまり、遠くに過ぎ去った過去を表しているのです。
そのため「おとつい」は過ぎ去った日という意味になります。
「おととい」と「おとつい」の違い
「おととい」と「おとつい」はどちらも一昨日のことを表す言葉なので、意味に違いはありません。
一昨日のことを元々は「おとつい」と呼んでいました。
それが平安時代に入って、「おととい」へと変化したのです。
そこで「おととい」というようになり、それが広まりました。
ところが江戸時代に入り、再び「おとつい」に戻る出来事が起こります。
兄弟のことを「おととい」と呼ぶ呼び方が生まれたからです。
紛らわしいので、「おとつい」が使われるようになったのです。
そのため地域によって、呼び方が分かれています。
「おとつい」と呼ぶのは、近畿地方や中国地方、四国地方、東海地方などです。
「おととい」は、関東地方や東北地方、北陸地方などで使われています。
また、九州地方では東部と西部で違っており、「おととい」というところもあれば「おとつい」と呼ぶところもあります。
ただし、東京がある関東地方では「おととい」が使われているので、「おととい」の方が標準語となっています。
そういったこともあり、「おととい」を使用している人の方が多いといえるでしょう。
「おとつい」には、古風なイメージを持つ人もいます。
まとめ
「おととい」と「おとつい」は意味に違いはなく、呼び方が違っているだけです。
「おととい」は関東で使われることが多く、「おとつい」は西日本で使われることが多くあります。
「おとつい」が変化して「おととい」となりました。