この記事では、「電子回路」と「電気回路」の違いを分かりやすく説明していきます。
「電子回路」とは?
「電子回路」とは受動素子と能動素子を備えた回路です。
受動素子は電圧や電流がないと動作しない電子部品、能動素子は電圧や電流のような電気を生み出したり増幅する、条件次第で電気を通す道を切り替える等の役割を持つ電子部品です。
「電子回路」には電気が回路を動かすためのエネルギーとして見られているものもありますが、電圧の高低や電流の向きによって回路の動作を切り替えるような、電気を信号として扱っている物もあります。
受動素子だけでなく能動素子も使うことで、より複雑で様々な機能を実現し、広い場面であらゆる用途に使える回路が「電子回路」です。
現在作られている機械に搭載される回路は、「電子回路」が主流になっています。
「電気回路」とは?
「電気回路」とは電流や電圧といった電気の力を使って動作する回路です。
広義では電気を利用する回路なら全てが「電気回路」なので、「電子回路」も「電気回路」の一種ですが、現在では能動素子を使っていない回路を指す言葉として扱われています。
電池のように電力を供給する装置もなければ、回路を巡る電気を調整したり、条件次第で通る道を切り替えるような装置もありません。
そのため回路としては比較的シンプルに動作し、電流や電圧を信号ではなく、ただ回路を動かすためのエネルギーとして扱い、消費したり蓄積する回路が「電気回路」です。
しかし電気の調整役である能動素子を組み込まないので、危険性や故障の原因になりかねないためか、現在では能動素子を使わない回路自体が作られなくなってきており、狭義の「電気回路」も少なくなっています。
「電子回路」と「電気回路」の違い
「電子回路」と「電気回路」の違いを、分かりやすく解説します。
受動素子と能動素子を組み合わせて構成されている回路が「電子回路」で、受動素子のみで構成されている回路が「電気回路」です。
「電子回路」は受動素子と能動素子を使った回路を指す言葉でしかありません。
しかし「電気回路」は能動素子を使っていない回路を指すだけでなく、電気を使った回路全般を指すという広義も持っています。
回路としては「電子回路」は電気を信号として扱い、流れる向きや強さによって動作を変えることもありますが、「電気回路」は回路を動かす、あるいは内部に貯蔵するエネルギーとしてしか扱いません。
まとめ
現在は能動素子を使わないという、狭義の「電気回路」が少なくなり、多くの回路が受動素子と能動素子を組み合わせた「電子回路」になっています。
そのため電気を使う回路という広義の「電気回路」と「電子回路」という言葉の境界線が曖昧になって、混同されることも増えているのが現状です。
実際「電子回路」も「電気回路」の一種ですが、能動素子を使っているかいないかで、「電子回路」か「電気回路」かを使い分ければ、ほとんどの場面で問題は起きないでしょう。