この記事では、「鎮圧」と「消火」と「鎮火」の違いを分かりやすく説明していきます。
似た雰囲気のある3つの言葉には、どのような意味と違いがあるでしょうか。
「鎮圧」とは?
「鎮圧」は「ちんあつ」と読みます。
「鎮圧」は、「戦乱や暴動を、武力を使って鎮めること」という意味があります。
また、「鎮圧」には、「消防において、火災の勢いが弱まって、延焼の恐れが無くなった状態」という意味があります。
他にも、「鎮圧」には「耕地をすき起こし、土を砕いて平らかにならし押さえること」という意味があります。
「鎮圧」の言葉の使い方
暴力的なデモ活動を、警察などが武力を使って鎮めるような場面では、「警察がデモ隊を鎮圧する」などと表現できます。
また、火事が起こり、消防隊が駆け付けて消火活動を行った時、大方の火が消えて、これ以上燃え広がるようなことがない状態になった時、「火勢鎮圧」などと言います。
「消火」とは?
「消火」は「しょうか」と読みます。
「消火」は「火を消すこと。
火事を消すこと」という意味があります。
「消火」の言葉の使い方
火事が起こった時、消防車が出動して駆けつけて、火を消すために活動を行います。
このような場面を、「火事現場に駆け付けた消防車が、消火活動をする」などという文章にできます。
「鎮火」とは
「鎮火」は「ちんか」と読みます。
「鎮火」は、「火事が消えること。
火事を消すこと」という意味があります。
消防では、火災の勢いが弱まり、延焼の恐れが無くなった時点で「鎮圧」と呼び、完全に消火活動を終えた場面で、「鎮火」と呼びます。
「鎮火の言葉の使い方
ボヤが起こった時、火が部屋などに燃え広がらないよう、すぐに水をかけて火を消すことが大切になります。
このような場面を、「火が部屋に燃え移る前に鎮火する」などと表現することができます。
また、大きな火事になってしまうと、水をかけても消えにくくなることから、「大火事になると、水だけで鎮火するのは難しい」などという文章にできます。
「鎮圧」と「消火」と「鎮火」の違い
3つの言葉には、「火を消すこと」を意味するという共通点があります。
ただし、「消火」は、一般的にも使用される「火を消すこと」を意味するのに対して、「鎮圧」と「鎮火」は、基本的に消防用語となります。
「鎮圧」は、火の延焼の恐れが無くなったことを意味するのに対して、「鎮火」は、消火活動が必要なくなった状態を意味します。
このように、火事が起きたときなどに、火を消すことを「消火」と呼び、延焼の恐れが無くなった時点で「鎮圧」と呼び、消火活動を終えて大丈夫な状態まで、完全に火を消すことができたときに、「鎮火」という言葉を使うという違いがあります。
まとめ
「鎮圧」と「消火」と「鎮火」の違いについて見てきました。
3つの言葉には、それぞれに微妙な意味の違いがありました。
3つの言葉の意味の違いを知ることで、混同せずに使い分けることができるようになりそうです。