「霧氷」と「樹氷」の違いとは?分かりやすく解釈

「霧氷」と「樹氷」の違い専門用語・業界用語

極寒の地で観測される現象として「霧氷」「樹氷」があります。

このふたつは具体的にどのような現象なのでしょうか。

今回は、「霧氷」「樹氷」の違いについて解説します。

「霧氷」とは?

「霧氷」とは、「過冷却状態にある水滴が風により樹木に吹きつけられたことで付着凍結し形成される氷の層」を意味する言葉です。


「霧氷」の使い方

「霧氷」が極低温の環境でのみ観測される自然現象です。

空気の温度が氷点下になると空気中に含まれる水分が本来凍り始める温度になりますが空気中で直接凍ることなくそのままの状態を保ち続けることがあります。

このように本来凍り始めるはずの温度であるのに凍っていない状態のことを「過冷却」といいます。

過冷却状態にある水分は刺激を受けると分子配列が乱れ瞬間的に凍り始めるという特殊な性質を持ちますが「過冷却状態にある空気中の水分が樹木などにぶつかった衝撃で瞬間的に凍結し氷の層を形成する現象」「霧氷」です。

「霧氷」と呼ばれる現象にはもうひとつ「空気中の水蒸気が消化されることにより発生する凍結現象」もあります。

いわゆる「霜」にあたる氷の柱が樹木の葉や枝などに付着すると「樹霜」と呼ばれる「霧氷」の一種として扱われます。


「樹氷」とは?

「樹氷」とは、「樹木の枝に吹きつけられた空気中の水分が凍結し氷の木のような見た目になる現象」を意味する言葉です。

「樹氷」の使い方

過冷却状態にある霧が樹木に吹きつけられると瞬間的に凍結し美しい氷の樹木を形成します。

そのような「吹きつけられたきりが凍ってできた氷の樹」「樹氷」です。

「樹氷」の表面は濁りのない透き通った美しい氷で覆われていますが、霧が吹きつけられ凍結して形成された氷の層は非常にもろく手でふれると簡単に崩れてしまいます。

形成されるための条件も厳しくほんのわずかな衝撃でも崩れてしまうため非常に珍しく貴重とされる自然現象です。

極低温で遮るものがない広い場所に生えている樹木にのみ見られる珍しい現象なので一目見てみたいと考える人が多いことから観光資源として活用されています。

日本では蔵王で見られる「樹氷」が絶景の観光スポットとして知られています。

「霧氷」と「樹氷」の違い

空気中に含まれる水分が過冷却状態にあり吹きつけられた瞬間に凍りつき形成される氷の層が「霧氷」、そのようにして形成される氷のうち樹木の表面に形成され美しい氷の樹を形作ったものが「樹氷」です。

「樹氷」「霧氷」の一種であり「霧氷」のうち樹木にできたものを「樹氷」と呼んでいます。

「霧氷」の例文

・『極寒の地でないと霧氷は見られない』
・『明日の朝は霧氷が観測されるだろう』

「樹氷」の例文

・『美しい樹氷を見学する』
・『樹氷が見られるのは一年の間でもわずかな期間のみである』

まとめ

「霧氷」「樹氷」はどちらも自然が生み出す美しい氷の芸術です。

同じ現象でも観測される状況や場所によって呼び方が変わることがあるのでどのような基準によって呼び方が変わるのか知っておきましょう。