この記事では、「寝食分離」と「食寝分離」の違いを分かりやすく説明していきます。
正しい用語を学んでいきましょう。
「寝食分離」とは?
寝食分離とは、寝るスペースと食べるスペースを分けること。
介護の世界で使われている、専門用語になります。
寝食分離は介護する側にとっては移動の負担が少ないという利点がありますが、介護される側にとってはマンネリ化を生みやすいという側面もあります。
「眠る・食べる」を同じ空間でおこなわないので、生活にリズムが生まれます。
大勢がいる食堂に連れていくことで、気分もあらたにリセットされるというメリットがあります。
寝たきりの予防もおこなえることから、多くの介護施設で導入されています。
「食寝分離」とは?
食寝分離とは、食べるスペースと眠るスペースを分けること。
戦後の日本で使われ始めた、欧米風の暮らしをあらわします。
建築界の巨匠である西山夘三さんが提唱した、日本の建築に大きな影響をあたえた言葉です。
戦前の日本の民家では、土間とよばれる台所がありました。
そのとなりには畳があって、ここで寝起きはもとよりご飯も食べていました。
こうした衛生環境を整えようと、推奨されるようになったのが食寝分離です。
食寝分離の考えは日本の建築界に大きな影響を与えるようになり、マンションや戸建て住宅の間取りに活かされるようになりました。
今では当たり前のように馴染んでいる、革命的な言葉です。
「寝食分離」と「食寝分離」の違い
どちらも似ている四字熟語です。
「寝食分離」と「食寝分離」の違いを、分かりやすく解説します。
・介護の寝食分離、住まいの食寝分離
順序が入れ替わっているだけなので、ややこしく感じられます。
ただ使われる業界が異なっています。
寝食分離は介護の新用語です。
ベッドの上で食事の補助をおこなうのではなく、空間を移動して、あらたな気持ちで食事をとる介護スタイルをいいます。
目的によって環境を変えることで、介護される方の食欲をうながしたり、意欲を高めたりするメリットがあります。
寝たきりの予防も期待される、いい言葉です。
そして食寝分離は、建築業界で用いられる言葉です。
和から洋へ大きな変革を迎えた、日本の建築文化を語るときに利用されています。
ご飯をとる場所と眠る場所を分けることによって、人間らしいライフスタイルが送れることを説いたものになります。
改めて整理すると寝食分離が、介護業界の言葉。
食寝分離が建築業界の用語になります。
線引きをただしく付けておきましょう。
まとめ
「寝食分離」と「食寝分離」の違いを分かりやすくお伝えしました。
「寝食分離」とは介護をするとき、眠る場所と食べる場所を明確にわけるやり方をいいます。
そして「食寝分離」は戦後の日本で広まっていった、新しい住まいの形態をいいます。
どちらも似ている言葉なので、その差をはっきり付けておきましょう。
日ごろの勉強に役立ててみてください。