この記事では、「焼香」と「抹香」と「線香」の違いを分かりやすく説明していきます。
「焼香」とは?
「焼香(しょうこう)」とは、「葬儀や法要などの場において、お香を焚く(たく)仏教式の儀礼」を意味しています。
「焼香・お焼香」は一般的な葬式(告別式)・法事の式次第の一つに加えられていて、「立った姿勢で行う立礼焼香」と「座った体勢で行う座礼焼香」に大きく分けられます。
狭いスペースで行う時には、お香を載せたお盆だけ回す「回し焼香」もあります。
「焼香」をするときに用いるお香には「抹香」と「線香」がありますが、現在の葬式(告別式)・法要では「抹香」を使用する儀礼が圧倒的多数を占めています。
「焼香」の具体的な作法・やり方は、浄土真宗や天台宗、浄土宗などの宗派によって異なります。
「抹香」とは?
「抹香(まっこう)」とは、「粉末状のお香」のことです。
「抹香」の材料には古代から「白檀(びゃくだん)・伽羅(きゃら)・沈香(じんこう)」などの希少な香木が用いられてきました。
現代の「抹香」は栽培・収穫が比較的容易な樒(シキミ)が使われることが多くなっています。
樒(シキミ)の葉っぱや樹皮を乾燥させて砕き、粉の状態にしたものが「抹香」として製造販売されています。
「抹香」は古代には「ストゥーパ」と呼ばれる釈迦の骨を納めた仏塔に塗ったり撒いたりされましたが、現代では主に「焼香」の用途に使っています。
「抹香」に貝殻などから抽出した甲香を混ぜて練ったものを、「薫物(たきもの)・練香(ねりこう)」と呼びます。
「線香」とは?
「線香(せんこう)」とは、「香料を練り合わせた棒状のお香」のことです。
広義の「線香」には、「棒状」のものだけではなく「渦巻き状」も含まれます。
「線香」とは「線のように細い形をしたお香」であり、「燃焼の安定+燃焼時間の長さ」といった利点を持っています。
「線香」は法要や葬式の「焼香」で使われることもありますが、現在では「家のお墓・自宅の仏壇」などに「線香」に火をつけてお供えする用途が主流になっています。
お供えとして「線香」を使用する時には、「三業・三宝・三密」などからの連想で、仏教の各宗派では「3本」立てることが慣習になっています。
「焼香」と「抹香」と「線香」の違い
「焼香」と「抹香」と「線香」の違いを分かりやすく説明します。
「焼香」というのは、「邪気を打ち払うお香を焚いて死者を弔ったり慰めたりするための仏教の儀礼」を意味しています。
「抹香」と「線香」のほうは、「焼香」という儀礼そのものではなくて、その死者を弔うための儀礼に必要な「お香の種類」を示唆している違いがあります。
「抹香」は「粉の形をしたお香」であり、「線香」は「棒状・渦巻き状の形をしたお香」である点が異なっています。
また現代の「焼香」では、「線香」よりも「抹香」を使う比率が圧倒的に高い違いも挙げられます。
まとめ
この記事では、「焼香」と「抹香」と「線香」の意味の違いを分かりやすく説明しましたがいかがでしたか?
「焼香」と「抹香」と「線香」の意味の違いについて詳しく調べたい場合は、この記事の内容を参考にしてみてください。