似たような意味で使われる混同されやすい言葉として「追試」と「追認」と「再試」があります。
これらの言葉にはどのような意味の違いがあるのでしょうか。
今回は、「追試」と「追認」と「再試」の違いについて解説します。
「追試」とは?
「追試」とは、「何らかの理由で試験を受けられなかった生徒、学生に対し追加で行われる試験」を意味する言葉です。
病気やケガなどで試験を受けるられなかった、あるいは交通機関に遅延が生じて試験開始に間に合わなかったなど「試験を受けられなかった者に対して救済のために後日追加で行われる試験」が「追試」です。
「追試」で合格点が取れると不合格となり入学が認められなかったり単位を取得できなかったりといった好ましくない結果になります。
「追試」にはもうひとつ「理論や学説を確かめるために第三者が行う試験」という意味もあり、こちらの用法では「検証」に近い意味合いで使われています。
「追試」の例文
・『赤点をとってしまったので追試を受けなければいけない』
・『追試を落としてたら留年してしまうため本気で勉強する』
「追認」とは?
「追認」とは、「過去にあった事実を現時点からさかのぼる形で認めること」を意味する言葉です。
「今まで認めていなかった事実を今になって認めること」を「追認」と表現します。
すでに事実や結果は出ているのに認められてはいない、という状況でのみ用いられる表現で「実体として成立してはいるが認められていなかったものが形式的にも認められること」を表します。
法律上は「不完全な法律行為を後から完全に有効であると意思表示すること」を指しますが、一般的には「後追いで認めること」という「事実が先行している状態に対して認めるのが遅れていること」という意味で用いられる言葉です。
「追認」の例文
・『契約が有効であると追認する』
・『欧米諸国に続き日本も独立宣言を追認する』
「再試」とは
「再試」とは、「試験で不合格となった者を対象に行われる再度の試験」を意味する言葉です。
試験で基準点に見たない者は赤点で不合格になり単位を落としてしまいますが、そのような「赤点をとってしまった者たちに対して救済のために行われる試験」が「再試」です。
「再試」でも基準点が取れないと単位取得は認められません。
「再試」にはもう一つ「何らかの理由で開催されなかった試験のかわりに再度行われる試験」という意味もあります。
悪天候などの理由により試験そのものが中止されたときに後日改めて開催される試験が「再試」です。
「再試」の例文
・『再試を落としてしまったら卒業が危ういので必死で勉強する』
・『赤点をとってしまったが再試で合格点をとれば問題ないだろう』
「追試」と「追認」と「再試」の違い
「追試」と「再試」はどちらも試験やテストなど学力考査に対して使われる言葉ですが「追認」は対象を認めるという認証行為を意味する言葉という違いがあります。
「追試」と「再試」の違いは対象者です。
「追試」が試験を受けられなかった者を対象にするのに対し「再試」は試験を受けたが合格点を取れなかった者を対象にします。
一般的に「追試」は無料ですが「再試」は料金が発生するという違いもあります。
まとめ
「追試」と「追認」と「再試」はそれぞれ異なる意味を持つ言葉です。
混同すると誤用につながるので正しい意味を理解しておきましょう。