海上輸送に関する代理店として「海運代理店」と「船舶代理店」があります。
2つの代理店は具体的にどのような業務の違いがあるのでしょうか。
今回は、「海運代理店」と「船舶代理店」の違いについて解説します。
「海運代理店」とは?
「海運代理店」とは、「貨物輸送を行う船舶が出入国する際に発生する書類申請や手続きなどを船舶の責任者の代理として代行する業者」です。
「海運代理店」の使い方
世界の主要な貨物輸送を担っているのは貨物船による船舶輸送です。
大量のコンテナを積み込んだ貨物船が世界中を運行し貨物を輸送することで物流を支えていますが、国境を超えて海をわたる貨物船は入港や出港の際にそれぞれの国ごとに定められた手続きをしなくてはいけません。
入出港の申請や関係各所への書類提出、貨物の受け渡しや受け入れなどその手続きには膨大な手間と時間がかかります。
国や港によって異なるルールに合わせて全ての事務手続きをするのは簡単ではなく、滞りなく作業を進めるにはそれぞれのルールを熟知した専門家が必要です。
国や港ごとのルールを熟知し船舶の責任者に変わって必要な手続きを代行してくれるのが「海運代理店」です。
「海運代理店」は船舶の運営に関する手続きや申請のほか貨物の取り扱いに関する書類作成や後半無いのに駅作業手配など貨物船が港で必要となる手続きのほとんどを代理で引き受けます。
「海運代理店」のおかげで船舶会社は各港に支社を設ける必要がなく、初めて接岸する港であっても運行に支障をきたすことなく作業を終えられます。
「船舶代理店」とは?
「船舶代理店」とは、「港において船舶の運行に必要となる許可申請や手続きなどを船主や船長の代理として代行する業者」です。
「船舶代理店」の使い方
「船舶代理店」が代理として担当するのは船舶の入出港に必要な申請手続きや届け出、水先案内人の手配など船舶の航行に必要な事務手続きの全てです。
「船舶代理店」に依頼することで現地語の書類作成や日数のかかる許可申請などを事前に済ませることができます。
「海運代理店」と「船舶代理店」の違い
「海運代理店」と「船舶代理店」はどちらも港に寄稿する船舶に必要な事務作業や許可申請などを代行してくれる代理店ですが「海運代理店」が貨物の船積み手続きや港湾作業の手配など海運により運ばれる貨物の許可申請などを手がけるのに対し、「船舶代理店」は船舶の航行に必要な手続きや申請のみを行うという違いがあります。
貨物を輸送する貨物船を主に対象にするのが「海運代理店」、クルーズ船など貨物を輸送しない旅客のみの船舶を対象にするのが「船舶代理店」という違いでも区別されます。
「海運代理店」の例文
・『入稿に備えて海運代理店に依頼する』
・『海運代理店に頼んでおいた港湾作業員が到着した』
「船舶代理店」の例文
・『船舶代理店の事前申請によりスムーズに入港が完了した』
・『船舶の保守点検依頼も船舶代理店の担当分野である』
まとめ
「海運代理店」と「船舶代理店」はどちらも船舶の運行に関する代理店ですが業務内容に違いがあります。
船舶関連の仕事を目指す人にとっては重要な違いなので知っておきましょう。