この記事では、「品質」と「信頼性」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「品質」と「信頼性」の違い
「品質」とは、品物の質のことです。
「質」には、そのものの良否や傾向などを決める性質という意味があります。
「信頼」とは、しんじてたよりにすることです。
「性」には、物事が持っている性質という意味があります。
つまり「信頼性」は、信じて頼りにできる性質ということができます。
「品質」がよいものは「信頼」できると考えることは少なくありません。
たとえば、品質がよい家電製品を製造している大手企業のことを、「信頼」している方は少なくないことでしょう。
「信頼」しているからこそ、大手企業の製品を選ぶ傾向があります。
しかし、「品質」=「信頼性」ではありません。
「品質」は品物の性質のことで、品物のことだけを指しています。
それに対して「信頼性」は、品物のことを指す場合も、それ以外のことを指す場合もあります。
たとえば、「信頼性の高い情報」といったように、情報という品物ではないものを指すことが可能です。
また、「品質」は良否、傾向、粗密などを判断するための性質のことですが、「信頼性」は信じて頼ることができる性質のことで、良否、傾向、粗密などのことを指しているのではありません。
「品質」と「信頼性」の使い方の違い
「品質」は、品物の質を指して使用します。
品物だけに使用する言葉です。
「信頼性」は、信じて頼りにすること、頼りになると信じられることを指して使用します。
品物にも、それ以外のものにも使用ができる言葉です。
「品質」と「信頼性」の英語表記の違い
「品質」は英語で“quality”と表現をします。
「信頼性」は英語で“credibility”と表現をします。
「品質」の意味
「品質」とは、品物の質のことです。
「品」という漢字には、しな、しなものという意味があり、「質」という漢字には、もと、ものの中身という意味があります。
漢字の意味から、「品質」とは品物の中身という意味であることがわかります。
品物の中身とは、良否などのことです。
たとえば、「品質」がよいといわれる掃除機で考えてみます。
なぜ、「品質」がよいといわれるかというと、掃除機の性能がよいからです。
「性能」とは、機械がなすことができる能力のことで、品物の中身ということができるでしょう。
吸引力が高い、音が静か、狭い場所にも入り込むことができるといった性能を備えているものが、一般的にはよいといわれています。
「品質」とは、よいもののことを指しているのではありません。
「品質」という言葉自体には、よい・悪いという意味は含まれておらず、質のことを指しています。
そのため、「品質が悪い」という言い方もします。
「品質」の使い方
品物の質のことを指して使用します。
「品質」という言葉には、質がよい・悪いという意味は含まれておらず、「品質がよい」「品質が悪い」といった言い方ができます。
「高品質」「低品質」といった言い方もあります。
「品質」を使った例文
・『品質の向上に努める』
・『高品質なコーヒー豆だけを使用しています』
・『定められた品質基準をクリアしています』
・『安くてしかも品質がよい』
「品質」の類語
「質」が類語です。
「品質」の対義語
対義語はありません。
「信頼性」の意味
「信頼」とは、しんじてたよりにすること、たよりにできるとしんじることです。
「性」には、備えている性質という意味があります。
つまり、「信頼性」とは、信じて頼りにできる性質、頼りにできると信じられる性質ということができます。
たとえば、SNSである情報が流れたとします。
その情報は信じることができるでしょうか。
SNSには不特定多数の人が投稿をすることができ、投稿前に情報の確かさが調べられているわけではないので、すべての情報が頼りにできると信じられるものとは限りません。
信じて頼りにできるものであれば、「信頼性」のある情報といえます。
「信頼性」の使い方
信じて頼りにできる性質や、頼りにできると信じられる性質のことを指して使用します。
形のある品物にも、形がない情報のようなものにも使用できます。
「信頼性」を使った例文
・『信頼性の確保に努める』
・『この雑誌は信頼性が高いといわれるようなものを目指す』
・『信頼性は保証されています』
・『この検査結果は信頼性が高いといえるでしょう』
「信頼性」の類語
「信頼」の類語が「信用」なので、「信頼性」の類語は「信用性」になります。
たしかなものであると信じて認められる性質という意味です。
「信頼性」の対義語
「信頼」の対義語が「不信」ですが、「不信性」とはいいません。
そのため、「信頼性」の対義語はありません。
まとめ
どちらの言葉も品物に対して使われるので、同じことを指していると考えたくなりますが、2つの言葉が持っている意味は異なります。