一生懸命働く会社員を指す言葉として「企業戦士」と「社畜」があります。
このふたつの言葉にはどのような意味の違いがあるのでしょうか。
今回は、「企業戦士」と「社畜」の違いについて解説します。
「企業戦士」とは?
「企業戦士」とは、「企業家有働の最前線に立ち身を粉にして会社のために働く会社員」を意味する言葉です。
「企業戦士」の使い方
「企業戦士」という表現が誕生したのはバブル経済の初期だとされています。
当時の日本では行動経済成長期から続く会社に対する忠誠心を強く抱き捧げる用に労働する旧来の働き方と遊びや趣味を大切にしながらマイペースで働く新時代の働き方が対立していました。
空前の好景気により己を犠牲にする旧来の働き方は否定され仕事は人生の一部であり全てではないという考え方が主流になりますが、珍しい存在となった自己犠牲的な働き方で会社に貢献する会社員を指す言葉としてつくられた造語が「企業戦士」です。
「企業戦士」とは「企業のために働く戦士」を表します。
企業のために全てをかけて働く会社員を主君に忠誠を誓い己の命をも捧げて働く戦士に例えた表現であり会社が全てであるという日本人男性独特の考えを賞賛すると同時に皮肉を込めて表現した言葉です。
「企業戦士」は「身を粉にして働く人」というポジティブな意味と「命をかけて働くことをいとわない大切なものが仕事しかない人」というネガティブな意味の2つを併せ持った表現です。
「社畜」とは?
「社畜」とは、「会社に飼われている家畜であるかのように働く人」を意味する言葉です。
「社畜」の使い方
会社員には会社を自由にやめる権利があります。
希望する仕事と違ったり給料が安かったり労働条件が劣悪だったりする場合は会社を辞めて新しい職場に移れる職業選択の自由は憲法で保証されるすべての人に認められている権利です。
職業選択の自由があるにもかかわらず労働条件が劣悪な企業で働く人は少なくありません。
低賃金なのに過大な仕事を押し付けられ命を削りながら必死に働く会社員を指す言葉が「社畜」です。
こき使われることを表す言葉として「馬車馬のように」という表現がありますが、これこそがまさしく「社畜」の示す意味合いです。
人間の都合でいいように使われる家畜である馬車馬と同じように会社の都合で便利に使われる会社員が「社畜」でありそのような劣悪な環境を強いられていることへの憤りと苦しい環境から逃げるという選択肢すらモテないほど会社に染まりきっていることへの哀れみが込められています。
「企業戦士」と「社畜」の違い
「企業戦士」と「社畜」の違いは「会社からの扱い」です。
どちらも会社のために一生懸命働く会社員を指す言葉ですが「企業戦士」は給料や出世など働きに見合った見返りが会社から与えられるのに対し、「社畜」はがんばって働いても会社からの見返りがほとんどありません。
働くことで自分にもメリットがあるのが「企業戦士」、働いても会社に搾り取られるばかりでメリットはほぼ無いのが「社畜」という違いで区別されます。
まとめ
働き方改革の推進により「企業戦士」と「社畜」は過去の話になりつつあります。
過剰な労働は会社にとっても会社員にとってもいいことではありません。
一生懸命働くのはかまいませんがすべてを捧げるような働き方については考え直しましょう。