この記事では、「評価」と「検証」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「評価」と「検証」の違い
「評価」と「検証」、この二つの語はどちらも「判断する」という意味を持っています。
しかし、「何を判断するか」というところに違いがあります。
「評価」は「価値を判断するとき」に使われます。
物の価格を決めることを「評価」というように、その物がどれくらいの価値を持っているのか判断するとき、「評価」という語が使われます。
一方「検証」が「判断する」のは「正しいかどうか」です。
「検証」は「物事を実際に調べてみて、仮説などが正しいかどうか判断すること」という意味の言葉です。
「評価」と「検証」の使い方の違い
「評価」は「価値を判断するとき」に使います。
「価値」というのはつまり、「優劣」や「値段」、「役に立つかどうか」ということです。
「その宝石を評価する」という文があるとき、「その宝石の優劣を見極める」あるいは「その宝石の値段を決定する」という意味になります。
「検証」は「正しさ」を確認するときに用いる語です。
「彼の言い分を検証する」などのように用います。
これは、「彼の言っていることが真実かどうか実際に確かめてみる」という意味です。
「評価」と「検証」の英語表記の違い
「評価」の英語表記は“evaluation”や“assessment”です。
「検証」を英語で表記すると“verification”になります。
「評価」の意味
「評価」という言葉にはいくつかの意味があります。
まず、物の価格を決めることを「評価」と言います。
決まった価格のことを「評価額」と言います。
価格を決めることだけでなく、「価値を判断すること」も「評価」です。
物事や人物に対して「評価」という言葉が用いられた場合は、その「価値」について言及されていると考えてよいでしょう。
また、「判断された価値を認める」ときにも、「評価」という言葉が使われます。
以下で使い方を見ていきましょう。
「評価」の使い方
「評価」の使い方について説明します。
例えば、質屋で持ち込まれた指輪の金額を決めるとき、「評価」という言葉が使われます。
この場合、「指輪の価格を評価する」といったふうに使います。
続いて「物事や人物の価値を判断する」場合の「評価」ですが、例えば「成績を評価する」などのように用います。
これは、「成績が良かったか悪かったか、どのくらいだったか判断する」という意味です。
最後に「価値を認める」場合の「評価」について、使い方の例を示します。
この場合で使われる「評価」は、よい意味を持ちます。
「彼の才能は世間から評価されている」という文を例に挙げますが、これは「彼の才能は世間から認められている」という意味になります。
「評価」を使った例文
・『古書店で本の値段を評価してもらった。大した値段にはならなかった』
・『祖母の持っていたジュエリーを鑑定してもらったら、予想以上の評価額が付いた』
・『面接では発言内容だけでなくふるまいも評価されているので、所作にも気を遣うとよい』
・『亡くなってからようやく評価された芸術家たちはたくさん存在します』
・『人の評価を気にする余裕がなく、好き勝手に作品を仕上げることがあります。そうして仕上がった作品の方が、どういうわけか人から評価されるのです』
・『外見で人を評価するなと言うけれど、外見からわかる情報もあります』
「評価」の類語
「評価」の類語は「品評」(ひんぴょう)です。
「品評」とは「品定め」のことです。
物事や作品の価値を決めることを「品評」と言います。
また、「査定」(さてい)も「評価」の類語だと考えられます。
「査定」とは「よく調べて決定すること」です。
金額や等級などを決定するときに用いられる語です。
「評価」の対義語
「評価」の対義語は、これといって定義されたものはないようです。
しかし「評価」を「価値が高いと判断されていること」という意味で取った時、「軽視」(けいし)という語が反対語に当たるかもしれません。
「軽視」とは「劣っていると判断され、蔑ろにされる」という意味です。
「検証」の意味
続いて「検証」という語について解説していきます。
「検証」とは「物事を実際に調べてみて、理論や仮説が正しいかどうか証明すること」です。
こうかもしれない、と思われることに対し、何らかの方法で直接当たって調べてみて、実証に導いていくことが「検証」です。
簡単に言うと、「よく調べて事実確認すること」です。
「検証」の使い方
不確定であることを確定させようとするとき、「検証」という語が用いられます。
「検証してみよう」などのように用います。
これは、「実際に調べて確認してみよう」ということです。
物事が正しいのかそうでないかを確認しようとするとき、「検証」という言葉を使います。
「検証」を使った例文
・『本当にその花が咲いているのかどうか検証するため、僕たちは噂の空き地へと向かった』
・『きちんとした検証もなしに物事をこうだと決めつけることは危険である』
・『先生は僕の説明に理解を示してくれた。しかし、まだ検証されていない理屈を実践で使うことはできないと言って、僕の計画に反対した』
・『検証は丁寧に行われるべきである』
・『現場の状況を検証しましたが、不審な点は見当たりませんでした』
「検証」の類語
「検証」の類語は「調査」(ちょうさ)です。
「調査」とは「調べること」です。
また、「確認」(かくにん)も「検証」の類語であると考えられます。
「確認」とは「物事をはっきりと確かめること」です。
「検証」の対義語
「検証」の対義語は、はっきりと定義づけられたものはないようです。
しかし、「検証」が「実際に調べ、正しさを確認すること」という意味ですから、「正しさを隠すこと」という意味で「隠蔽」(いんぺい)が対義語に当たるかもしれません。
「隠蔽」とは「真相を故意に隠すこと」です。
まとめ
「評価」と「検証」の違いについてまとめました。
「評価」も「検証」も「判断する」という意味を持つのは同じです。
「評価」とは「価値を判断すること」です。
「検証」は「正しさを判断すること」です。