この記事では、「指導」と「育成」と「教育」の違いを分かりやすく説明していきます。
区別のつきにくいこの3語ですが、意味を整理することで、明確な違いが浮かび上がってきますので、それぞれいかなる行為なのか、以下の記事を参考にしていただけますと幸いです。
「指導」とは?
「指導」とは、目的をもって導くことを意味する言葉です。
「指導」は「する側」の意図に沿って「される側」が、自発的もしくは自力で「特定の目的」に到達するように誘導する行為となります。
「指導」は後述の「育成」に比べ、「短期的」に「具体的」な内容について教え、目的へ導く方法です。
「指導」では「する側」が「される側」に目的へ至るために必要な行動や技能、知識など、過程について理解させることで、目的への自力到達を可能にさせるものです。
なお、「指導」は「される側」が「する側」の教えを尊重し、自ら従おうとすることを前提としており、「命令」や「指示」のように強制はされません。
「される側」の意識によって「する側」から明示された手順、方式といった内容が身につくかは双方の信頼関係に大きく依存します。
「育成」とは?
「育成」とは、育て上げ立派にすることを意味する言葉です。
「育成」は「する側」の意図する方針に沿って「される側」が、自発的もしくは自力で方針に沿った行動ができるように誘導する行為となります。
「育成」は前述の「指導」に比べ、「長期的」に行動指針、知性、人間性など「抽象的」な概念を身に着けさせる方法です。
「育成」では「する側」が「される側」に「考え方」について理解させることで、方針に沿った自立行動を身に着けさせるものです。
なお、前述の「指導」同様、「育成」は「される側」が「する側」の教えを尊重し、自ら従おうとすることを前提としており、「命令」や「指示」のように強制はされません。
「される側」の意識によって「する側」から明示された方針、人間性といった内容が身につくかは双方の信頼関係に大きく依存します。
「教育」とは?
「教育」とは、教えて能力を高めること「全般」を意味する言葉です。
また、「情報教育」など、教える内容そのものを指す言葉でもあります。
前述の「指導」や「育成」も大まかには「教育」の一部となります。
しかし、「教育」は行動や技能など「具体的」内容も知性、人間性など「抽象的」な内容も教えるものですが、ある程度「長期的」な期間を要する内容に用いられることが多く、「育成」の方が近いニュアンスとなります。
「指導」と「育成」と「教育」の違い
まず、「教育」は教えて能力を高めること「全般」であるのに対し、「指導」と「育成」は「教育」が細分化された内容となります。
次に「指導」と「育成」の違いについて、「指導」は「短期的」に特定の目的を達成させるために「具体的」な行動や技能について理解させるものですが、「育成」は知性や人間性といった「抽象的」な内容を身に着け、高めるためにある程度「長期的」に行うものです。
まとめ
「指導」と「育成」と「教育」についてまとめると以下となります。
・「指導」は「短期的」に特定の目的を達成させるために「具体的」な行動や技能について理解させることです。
・「育成」は知性や人間性といった「抽象的」な内容を「長期的」に教えることです。
・「教育」は技能や知性などを教え高めること「全般」です。