この記事では、「懐胎」と「妊娠」の違いを分かりやすく説明していきます。
「懐胎」とは?
「懐胎」とは女性が胎児を孕むことを指します。
具体的に言えば受精した卵子が着床し、その女性の子宮内で成長する状態になったことを指す言葉です。
子宮内に子供がいない状態から、子供がいる状態に変化したことを表現する言葉と言えるでしょう。
懐とは外部から隔てられている安全な場所という文字であり、胎は母体内に子が宿ることや、宿った子そのものを指す言葉です。
そのため「懐胎」は、外部と隔てられている母体内に子が宿った、という文字の組み合わせでできている言葉と言えます。
「懐胎」は胎児が宿ったことだけを表す言葉なので、その胎児を胎内で育てている最中であることを表現することに「懐胎」という言葉を使うのは一般的ではありません。
「妊娠」とは?
「妊娠」とは女性の胎内に胎児がいる状態を指す言葉です。
また胎内に子供がいなかった状態から、着床している状態に変化することも指します。
妊と娠のどちらも、子を宿す、孕む身ごもるという意味の漢字であり、「妊娠」は意味が共通している別の漢字を複数並べることで、共通している意味を強調させているタイプの熟語です。
文字の意味だけで考えれば胎内に子供が宿るという出来事だけを指す言葉のようですが、子供を身ごもったことだけではなく、身ごもった後に、胎内で子供を育てている状態のことも「妊娠」という言葉で表現することが一般的になっています。
また子を孕むという表現にはいくつか種類がありますが、その中でも「妊娠」は特に広い場面で使われている言葉であり、子を孕むという意味を持つ他の言葉と比べて、頻繁に様々な状況で目にする言葉です。
「懐胎」と「妊娠」の違い
「懐胎」と「妊娠」の違いを、分かりやすく解説します。
胎内に子を宿すという意味の言葉が「懐胎」で、子を宿すことや宿している状態を指す言葉が「妊娠」です。
「懐胎」は子を宿す、孕むという出来事だけを指す言葉ですが、「妊娠」はそういった出来事を指すだけでなく、子を宿している、孕んでいるという状態も含みます。
また子を宿したことの表現としては、「懐胎」は畏まった固い表現として使われることが多いです。
一方で「妊娠」は、一般人に子供ができたことにも、社会的地位がある人に子供ができたことにも使われるなど、様々な場面で広く使われていて、同義語の中でも最もポピュラーな言葉になっています。
まとめ
「懐胎」と「妊娠」は両方とも、子を胎内に宿す、孕むという意味を持っている言葉であり、その点において両者に違いはありません。
その上で「懐胎」は表現として固く、「妊娠」は一般的な表現であり、なおかつ子を宿す、孕むという出来事だけでなく、宿している、孕んでいるという状態を指すことにも使われるというのが大きな違いです。
基本的には「妊娠」を使い、畏まって丁寧な表現にしたい場合は「懐胎」を使うと良いでしょう。