この記事では、「壊疽」と「壊死」の違いを分かりやすく説明していきます。
「壊疽」とは?
壊疽とは、えそという読み方をすべき言葉です。
漢字で書かれたこの言葉を見れば理解出来る事でしょうが、こわれるといった意味の壊の漢字に、悪性の腫瘍や腫れ物といった意味がある疽の漢字を付け足す事で成立した言葉となっています。
だからこそ壊疽は、死んでしまった細胞が更に悪化した状態を表すのです。
「壊疽」の言葉の使い方
壊疽は、身体の組織が腐敗した後により悪化して合併症を起こしてしまった状態に対して使われる言葉となっています。
死んでしまった体細胞が腐敗細菌等に感染してしまう事で悪化した状態であるため、その部分は黒色や黄色に変色するだけでなく、悪臭を放つ様になる事が多いです。
身体の特定の部分がその様な状態に陥る事に対して、この壊疽という言葉が使用されています。
「壊死」とは?
壊死とは、えしという読み方をする言葉です。
文字で記されたこの言葉を目にすれば一目瞭然な事ですが、崩れるやこわれるといった意味を持っている壊の文字に、しぬ事や機能しなくなる事といった意味を有する死の文字を加える事で完成した言葉となっています。
以上の事から壊死は、生体の一部分の組織とか細胞が死んでしまう事を示すのです。
「壊死」の言葉の使い方
壊死は、血液が供給されなくなるといった理由で体細胞の1部分が死んで行ったり、既に死んでしまった状態に対して用いられる言葉となっています。
ただしあくまで、身体の特定の部分だけの死を意味する言葉であり、通常の死を表す際には使用する事は出来ません。
加えて壊死した部分に細菌感染が起こり易くなるため、合併症を起こすリスクが高くなるのです。
その結果、生命に関わる症状へと発展する事も珍しくないので、壊死を起こした部位の切除といった対処が行われます。
「壊疽」と「壊死」の違い
壊疽と壊死の文字表記を並べて見比べてみると、2文字目の漢字が疽と死という違いがある事に気付く事が可能です。
所が最初の文字は同じ壊の漢字であり、どちらも漢字2文字目で表現可能な上に、体細胞の1部が正常に機能しない状態を表すので意味合いも似ていたりします。
とはいえ2文字目の漢字が違う事で、表現する意味にも違いが生まれているのです。
まず壊疽は、体細胞の1部が死んだ上で腐敗菌感染等により、合併症を起こした状態を表します。
一方の壊死は、細胞の1部分が死んでしまった状態を示すのです。
つまり壊死した部分に、合併症が起きた状態が壊疽となります。
まとめ
2つの言葉は共に最初に壊という同じ漢字が用いられており、特定の体細胞や組織に不具合が生じてしまった状態を示すという似た様な意味を持つ言葉同士です。
ですが2文字目の漢字に明確な違いがある事で、表現する意味にも相違点を見出す事が出来ます。
ちなみに壊疽は、死んでしまった細胞が細菌感染を起こす等してより悪化した状態を表す際に使用する言葉です。
対する壊死は、生体の1部の細胞が死んでしまった状態であり、壊疽に至る前の段階を示す言葉として用いられています。