大粒で甘いブドウといえば、「ピオーネ」と「巨峰」。
二つは見た目からはほとんど見分けがつきませんが、それぞれに特徴があります。
この記事では、「ピオーネ」と「巨峰」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ピオーネ」とは?
「巨峰」を品種改良して作った新しい品種が「ピオ-ネ」です。
「巨峰」を母に、カノンホール・マスカットを父として交配されました。
カノンホール・マスカットとは、マスカット・オブ・アレキサンドリアの4倍体枝変わりの品種で、強い香気と食味の良さが特徴でした。
ピオーネという名前は、イタリア語で開拓者という意味です。
「巨峰」の特徴を受け継いだ「ピオーネ」は濃い紫色で、粒が非常に大きいです。
爽快な香気と品のいい風味があり、糖度は16度以上と強い甘さを持っています。
種無しの栽培が盛んで、「巨峰」と並んで人気があります。
そのため、種を無くすジベレリン処理をされたものは、ニューピオーネと名付けられて出荷されています。
日本で生産数一位は岡山県で、二位は山梨県になります。
「ピオーネ」は、ハウス栽培のものは4月ごろから店頭に並び、旬は8月下旬から10月初旬ごろまでです。
「巨峰」とは?
「石原早生」を母に、ヨーロッパ種の「センテニアル」を父として交配させて誕生したのが「巨峰」です。
そのため商標名は「巨峰」ですが、品種名は「石原センテニアル」になります。
「巨峰」という名前は、開発されていた伊豆の研究所から見える富士山にちなんで名づけられました。
紫黒色の大粒で、1粒あたり10~12gもの重さになるのが特徴です。
ただし、ひと房あたりで粒の数が少ないほうが甘みが増えるため、大きさと甘みのバランスを考えて生産されています。
糖度は18~20度と非常に高く、身が締まっていて多汁なのが特徴です。
香り豊かな強い甘みと、爽快な風味を持つ果肉はほどよい酸味も人気の理由のひとつ。
種無しのものも多く、長年人気を誇っています。
現在は多くの地域で栽培されていて、長野県産の「巨峰」が人気です。
ハウス栽培の「巨峰」は5月下旬から出始めます。
旬は8月から10月ごろまでです。
「ピオーネ」と「巨峰」の違い
「ピオーネ」は「巨峰」を親として交配されたため、どちらも大粒で甘みが強いという特徴が共通しています。
違いは、「ピオーネ」がやや大粒の傾向が見られます。
特にジベレリン処理をして種無しにした「ピオーネ」は、従来のものより大きめです。
また「ピオーネ」はマスカットをもういっぽうの親に持つため、「巨峰」よりも爽やかですっきりした味わいなのも特徴です。
また「ピオーネ」は粒が落ちにくく日持ちします。
まとめ
「ピオーネ」と「巨峰」は、大粒で甘みが強く、紫黒色をしているという共通点があります。
なぜなら「ピオーネ」は「巨峰」を元に作られた品種であるため、特徴がよく似ているのです。
ただし「ピオーネ」の味は、マスカット由来の爽やかさがあります。
いっぽう「巨峰」は糖度20度の濃厚な甘みがあります。
また粒の大きさは、「ピオーネ」のほうがやや大きめです。
二つの品種の違いを理解して、お好みのブドウを選びましょう。