この記事では、「市中」と「市内」の違いを分かりやすく説明していきます。
「市中」とは?
市中とは、しちゅうという読み方をすべき言葉です。
漢字で書かれたこの言葉を見れば理解可能な事でしょうが、まちやしがいといった意味の市の漢字に、物のまんなかや2つの物の間といった意味がある中の漢字を付け足す事で成立した言葉となっています。
だからこそ市中は、街の中の事を表すのです。
「市中」の使い方
市中は、日常生活において人が大勢集まる様な街の中といった意味として用いられる言葉となっています。
市の中でも賑やかさのある街の中の、総称的な意味合いで使用される事が少なくありません。
更にこの言葉の使い方として良く見聞きするのが、市中感染です。
これは何時も通りの生活を送っている中でも、病気の感染が起こってしまう状況に対して使われる言葉となっています。
「市内」とは?
市内とは、しないという読み方をすべき言葉です。
文字で記されたこの言葉を目にすれば一目瞭然な事ですが、人が多く集まる所といった意味を持っている市の文字に、一定の範囲のうちがわといった意味を有する内の文字を加える事で完成した言葉となっています。
以上の事から市内は、市の区域内を示すのです。
「市内」の使い方
市内は、行政区域である市の区域内であるという意味に用いられる言葉となっています。
文字通り、市という行政区域の内側である事を表現する言葉であるため、対義語は行政区域の外側を表す、市外となるのです。
この市内を用いた言葉として良く見掛けるのが、市内局番であり、これは電話番号を構成している1部分を示す言葉となっています。
他にもシンプルに、横浜市内や名古屋市内といった形で市の名前の後に、この言葉を使って行政区内である事を表現したりするのです。
「市中」と「市内」の違い
市中と市内の文字表記を並べて見比べを行ってみると、2文字目に中と内という漢字の違いがある事に気付く事が出来ます。
所が最初の文字は同じ市の漢字であり、共に漢字2文字で表現可能であり、持つ意味合いにも似ている部分が見られるので混同してしまう恐れのある組み合わせの言葉同士と言えるのです。
とはいえ2文字目の漢字の違いにより、表す意味にも違いがあります。
まず市中ですが、賑わいのある街の中といった意味を表すのです。
一方の市内は、市という行政区の内側である事を示す言葉となっています。
「市中」の例文
・『市長は市中感染を防ぐべく、市民に外出の自粛を呼び掛けたのです』
「市内」の例文
・『本日市内で行われる予定だった花火大会は、残念ながら雨で中止になりました』
まとめ
2つの言葉はどちらも最初に、市の漢字が使用されており、漢字2文字で表現可能な言葉です。
ただし2文字目に漢字の違いがある事で、示す意味には相違点を見出す事が出来ます。
ちなみに市中は、日常生活で人が多く集まる街の中といった意味に使われる言葉です。
対する市内は、市という行政区域の内という意味を示す言葉として用いられています。