危機感と危機意識の意味は似ていますが、同じものではありません。
危機感と危機意識の違いについて紹介します。
危機感とは?
今のままの状況では危ないという不安や緊迫感のことをいいます。
人は自分が置かれている状況に何か違和感を感じ、このままではいけないと思うことがあります。
これを危機感といい、前とは違う状況に置かれてから感じるものです。
危機感の使い方
危機感を使った具体的な例を幾つか挙げてみます。
・この国を出ようと思ったのは、言論の自由が失われていくことに危機感を覚えたからだ。
・会社の行く末に危機感を抱いた社長は、他社から優秀な人材をヘッドハンティングしようと決意した。
・周りに新しいお店が続々と出店していることに、もっと危機感を持った方がいい。
・伝統が途絶えてしまうことに危機感を抱いた彼は、その良さをもっと広めようと奮闘している。
危機感は、危機感を抱くとか危機感を覚えるといった使い方をします。
注意が必要なのは、危機感を感じるとは言わないことです。
危機感には「感じる」という意味の「感」が含まれているので、危機感を感じるだと同じ意味の言葉が重なってしまうことになります。
危機意識とは?
危機が迫っていることを感じることをいいます。
また、危機意識には、現時点における社会の秩序や価値観が崩壊しそうになった時に不安から持たれる意識という意味もあります。
秩序や価値観の崩壊に対して、何とかしなければいけないという自覚です。
まだ、状況に実際の変化が起こっているわけではない段階でも、危機意識を持つことはあります。
危機意識の使い方
危機意識を使った具体的な例を幾つか挙げてみます。
・会社の従業員一人一人の危機意識を高めるには、何をしたらいいか教えてほしい。
・常に危機意識を持つことで、リスクを上手く回避することができたと思う。
・セキュリティに関して経営者の危機意識が乏しいので、今後攻撃のターゲットにならないか心配だ。
・感染症に対する危機意識が、健康な若い世代ほど低いのは仕方のないことかもしれない。
危機意識は、危機意識が高いあるいは低い、危機意識を持つ、危機意識を高めるといった使い方をします。
危機感と危機意識の違い
危機感と危機意識の違いは、それが生まれるタイミングにあります。
危機感は、今の状況が前よりも悪化することで抱くものです。
それに対して危機意識は、まだ状況は悪化していない段階でも持つことがあります。
これから悪くなりそうだということを事前に察知するのが危機意識です。
また、危機意識には危機が迫っていることを認識してこれに対処しようという自覚のこともいいます。
まとめ
危機感は今までとは違う状況に置かれ、不安や緊迫感を抱くことをいいます。
状況が悪化してから感じるものです。
それに対して危機意識は、まだ状況は悪化していないものの、些細な変化をキャッチし危険が迫っていることを察知することをいいます。