「排除」と「廃除」と「除外」の違いとは?分かりやすく解釈

「排除」と「廃除」と「除外」の違い生活・教育

「はいじょ」を漢字になおすとき、「排除」なのか「廃除」なのかで迷った経験はないでしょうか?

また、同じような言葉に「除外」がありますが、それぞれ違いや使い分けはあるのでしょうか?

この記事では、「排除」「廃除」「除外」の意味や違いについて分かりやすく説明していきます。

「排除(はいじょ)」の意味とは?

「排除」とは、「押しのけて、そこからなくすこと」「そこから取り去ること」という意味の言葉です。

「排」という字には「押し退ける」「退ける」などの意味が含まれます。

「除」という字は「除(のぞ)く」とも書き、「取り去る」「はらう」などの意味が含まれます。


「排除」を使った例文

・『新しく時代が進むと共に、旧いものは少しずつ排除されていく』
・『この人物は巧みに政略を利用して、敵対分子を排除していった』
・『閉鎖的な社会では、よそ者は廃除される傾向にある』


「廃除(はいじょ)」の意味とは?

「廃除」とは、「やめて取り除くこと」「不用のものとして、なくすこと」を意味する言葉です。

また、「廃除」は民法における「相続廃除」のことであり、「被相続人の申し立てや遺言により、遺留分を有する推定相続人の相続権を家庭裁判所による審判や調停によって剥奪する制度」のことを指します。

「廃除」は本来の意味としてよりも、「相続排除」の意味で使われることのほうが多いようです。

「相続排除」は一定の条件に該当した場合、「被相続人」が相続を望まない「遺留分を有する推定相続人」(兄弟姉妹を除く相続人のこと)へ、財産が渡るのを阻止することができます。

例として、「遺留分を有する推定相続人」「被相続人」に対して虐待や暴力を振るっていた、重大な侮辱を与えた、著しい非行があった場合などが挙げられます。

「除外(じょがい)」の意味とは?

「除外」とは、「除くこと」「特定の範囲や基準、規定には入らないものとして、取りのけること」を意味する言葉です。

「外」という字は「外(はず)す」とも書き、「そと」「よそ」の他、「除く」「遠ざける」という意味を含みます。

「除外」を使った例文

・『革新的な考えはいつの時代も、周囲の理解を得られず除外されてしまうことがある』
・『彼は協調性がないために、グループから除外されてしまった』
・『基準を満たさなかった製品は除外するように指示された』

まとめ

「排除」「除外」はいずれも「取り去ること」「なくすこと」という意味を指しますが、「排除」には「不要なものを取り去ること」「押し退けてなくすこと」というニュアンスが含まれています。

対して、「除外」「特定の範囲に入らないものや基準に満たないものとして取り去る」というニュアンスが含まれます。

一方、「廃除」「排除」と同じく「はいじょ」と読み、字面も意味も近しい言葉ですが、本来の意味としてよりも民法における「相続排除」のことを指して用いられるケースが多いようです。