「簡略化」と「効率化」の違いとは?分かりやすく解釈

「簡略化」と「効率化」の違い生活・教育

システムの改善などで使われる表現として「簡略化」「効率化」があります。

このふたつは具体的にどのような違いがあるのでしょうか。

今回は、「簡略化」「効率化」の違いについて解説します。

「簡略化」とは?

「簡略化」とは、「細かい部分を取り除いたり省いたりして簡単にすること」という意味で使われる言葉です。


「簡略化」の使い方

「簡略化」という表現は「複雑なものをわかりやすくすること」を表します。

入り組んだ仕組みや混みあったシステムなどから必要な部分のみを残し余計なもの取り除いでできる限り簡単にする作業が「簡略化」です。

「簡略化」「略」には「もともとの状態から省く」という意味があります。

省くとは「必要なところだけを残し不要なものを取り除くこと」を表します。

「簡略化」とは「余計なものの排除」であり「必要な部分だけを残した簡単な姿を実現すること」を意味する言葉です。

「簡略化」が実現すると複雑性が排除されてわかりやすくなります。

理解しやすく誤認も減るため改善の手法として「簡略化」は高い効果が期待できる方法です。


「効率化」とは?

「効率化」とは、「無駄を無くし効率を良くすること」を意味する言葉です。

「効率化」の使い方

投入したコストに対して得られるリターンを表した数値を「効率」といいます。

効率がいいほど少ないコストで高いリターンが得られ、効率が悪いとコストに対するリターンが低くなります。

「ある物事を見直し効率を改善すること」をあらわす言葉が「効率化」です。

以前の状態よりも効率を高めるのが目的であり、無駄を省いたり別のやり方を採用したりなどして以前の状態よりも効率が良くなることを目指します。

作業が効率的になれば少ないコストでより多くのリターンを得られるようになることから「効率化」は基本的に良いことであるとされています。

ベルトコンベアーによる流れ作業やかんばん方式など企業がコストを削減し利益を増やそうとするためのさまざまな工夫は「効率化」に当たります。

「簡略化」と「効率化」の違い

「簡略化」「効率化」の違いは「目的」です。

「簡略化」の目的はできるだけ省略し簡単にすることです。

初めての人にもわかりやすかったり組み立てやすくなったり材料が減らせたりなどさまざまな目的がありますが、直接的な目的は「簡単な状態の実現」です。

「効率化」の目的は効率の改善です。

効率が改善されると利益の上昇や作業負担軽減などのメリットが発生します。

イベントの入場手続きを例にします。

多くの客を短時間で入場させるという目的に対し身分証での本人確認をやめたり手荷物確認を廃止したりなど手順や作業そのものを減らして簡単にするのが「簡略化」、スタッフを増やして短時間でチェックできるようにしたり作業を分担して処理スピードを早めたりするのが「効率化」です。

「簡略化」の例文

・『デザインを簡略化する』 ・『だれでもわかりやすいインターフェースを実現するために簡略化をめざす』

「効率化」の例文

・『自動組立機の導入で向上は大幅に効率化した』
・『センター方式は給食の効率化に高い効果を発揮する』

まとめ

「簡略化」「効率化」は混同されることもありますが本来の意味はまったく異なります。

なにを目指しどのような手法をとるのか、実例を参考にすると理解がはかどります。