この記事では、「規制」と「抑制」の違いを分かりやすく説明していきます。
似ている言葉の差を見分けていきましょう。
「規制」とは?
規制(きせい)とは、ある目的のために制限をかけること。
行動をおさえこんだり、流通する量を決めたりすることです。
何らかの目的のために、人や物の流れに制約をかけることを規制といいます。
もともと規制の「規」は、決まりやルールをあらわします。
そして「制」は「おさえる・やめさせる」という、強制めいた意味があります。
そのため規制で、あるルールを作って今のやり方を改めさせるという内容になります。
反対にこうした制限を緩やかにすること、ゆるめることを「規制緩和(きせいかんわ)」と呼んでいます。
「抑制」とは?
抑制(よくせい)とは、上から押さえつけること。
これ以上悪くならないように、圧力をかけて予防することをいいます。
事態が悪化しないようにする手立てや、阻止の方法を抑制と呼んでいます。
もともと抑制の「抑」は「押さえつける」という意味があります。
そして「制」にはルールという訳のほかにも「押しとどめる」という訳が込められています。
つまり爆発しそうな勢いを止めるために、上から抑えることを「抑制」といいます。
例えば「高騰の抑制」や「リスクの抑制」という言い方をします。
抑制は急ごしらえでおこなうものが多く、長い目で見ると無理がある方法もあります。
「規制」と「抑制」の違い
どちらも「制度」の「制」という漢字がはいっています。
「規制」と「抑制」の違いを、分かりやすく解説します。
・決まりに従う「規制」と最悪を回避する「抑制」
規制と抑制は、とても似ている言葉です。
ただその意味合いが、少しずつ異なっています。
規制とはある目的のために、流れに制限をかけるものです。
例えば交通規制というと、交通事故を予防するためのルールのこと。
そして輸出規制というと、外交のためにおこなう厳しい輸出の手立てをいいます。
ある狙いのもとに、おこなわれる施策が規制です。
それに対する抑制は、押さえつけている状態をあらわします。
たとえば「ガソリン価格の高騰を抑制する」というと、値上がりしているガソリン価格の上昇を抑えるためにおこなう、あれこれの策をいいます。
放っておけば膨らみそうなものに対して、圧力をかけていく作業が抑制です。
抑制をおこなうことで、物価の上昇などを防ぐことができます。
規制も抑制も個人ができることではなく、政府や自治体など権限のある団体がおこないます。
力のある人が目的達成のために実施することが規制、これ以上悪くならないように押さえ込むことが抑制です。
まとめ
「規制」と「抑制」の違いを分かりやすくお伝えしました。
規制とはある目的を叶えるために、制限を強めていくこと。
反対語は規制緩和です。
そして抑制とは、上から押さえつけること。
急激な値上がりなどをしないように、策を講じることです。
違いを知って、言葉につよくなりましょう。