黄金期と全盛期は、意味がよく似ている言葉です。
黄金期と全盛期の違いについて紹介します。
黄金期とは?
黄金期は国や文明、集団、個人などが最も輝いていた時期のことをいい、黄金時代ということもあります。
例えば、「フォークソングの黄金期は1970年代です」とか「平清盛は平氏の黄金期を築き上げました」といった使い方をします。
黄金期は英語のGolden Ageからきているといわれており、さらにルーツをたどるとギリシア神話に行きつきます。
ヘシオドスという古代ギリシアの詩人が書いた「仕事と日(労働と日々)」には、5つの時代が登場します。
神々が最初に創造したのが黄金時代で、争いや戦争のない世界でした。
人間は不老長寿で、大地が惜しみなく食べ物を与えてくれます。
そのため労働する必要がなく、安らかに死んでいきました。
その後、白銀の時代、青銅の時代、英雄の時代、鉄の時代へと移り変わり、人間は堕落して争ってばかりいるようになります。
昔は良かったという意味で、黄金時代が使われるようになりました。
繁栄しているというだけではなく、平和であるとか安定しているといった意味も含まれています。
全盛期とは?
全盛期とは最も勢いがあって、盛んな時期のことを言います。
個人や集団が、実力や人気、名声などでピークを迎えた時期のことです。
スポーツ選手などが、最も良い成績を残した時期などに使われています。
全盛期は長く続くこともありますし、短い期間で終わってしまうこともあります。
例えば、「もう全盛期が過ぎてしまったので、以前のような成績を残すことは難しい」とか「全盛期にはファンが押し寄せるなど絶大な人気を誇っていた」といった使い方をします。
全盛期は過去を振り返って一番勢いがあった時期なので、過去に対して使用する言葉です。
現在、全盛期にある場合でも、もっと良くなる可能性もあるのでその時点では全盛期かどうかは分かりません。
人気が落ちたり、成績が落ちたりして勢いが衰えた時に、初めてあの時が全盛期だったと分かるのです。
黄金期と全盛期の違い
黄金期と全盛期は、ほぼ同じ意味で使われています。
ただし、黄金期の場合には周りから見ても明らかに凄いと分かりますが、全盛期の場合には周りから見ると凄いと感じない場合にも使われます。
例えばスポーツ選手の場合、目立った成績を残せないまま引退していく選手は少なくありません。
それでも選手生活の中で最も良かった時期は全盛期といいます。
周りの選手と比較するとあまり大したことがないと思われる成績でも、その人の中では一番勢いがあった時期だからです。
その場合、黄金期ということはありません。
また、黄金期は個人に使うこともありますが、どちらかというと国や文化、概念といったものに使うことが多いです。
まとめ
黄金期は周りから見て輝いている時期のことで、全盛期は人や集団にとって一番良い時期のことをいいます。