この記事では、「厭わない」と「嫌がらない」の違いを分かりやすく説明していきます。
「厭わない」とは?
意味は、欲しくない、したくないということがない、避けないです。
「厭わない」は「厭う」に「ない」をつけて否定した語です。
「厭う」には、欲しくない、したくない、嫌って避けるという意味があります。
それを否定しているので、「厭わない」は嫌って避けたりしないという意味になります。
物を作る職人のことで説明します。
この職人はプロ意識が高く、自分が作り出すものに妥協はしません。
完成度が高いものを作り出すためなら、眠る時間や食べる時間を削ってもよいし、知識や技術を得るためにどんなに遠くに出かけてもよいと思っています。
眠る時間や食べる時間を削ることを嫌がる人は少なくないことでしょう。
削ってしまっては生理的欲求を満たすことができず、心身共につらくなってしまいそうです。
遠方に出かけるには費用も時間もかかり苦労をするため、嫌がる人もいることでしょう。
しかし、この職人は嫌がりません。
そのさまを「厭わない」で表します。
「厭わない」の使い方
普通は嫌がるであろうことを避けずにあえて行うことを指して使用します。
苦労やリスクについて使われることが多いです。
「嫌がらない」とは?
嫌だという気持ちを外に出さないという意味です。
欲しくない、したくないという気持ちがないことや、そういった気持ちを持っていても外に出さないことをいいます。
ピーマンが嫌いで食べたくないという子供は少なくありません。
ピーマンを出しても、それだけ避けてしまうことがあるでしょう。
ある子供は、食卓にピーマンを出しても避けることがなく、他のものと同じように食べます。
このさまが、この言葉の意味するものです。
今度は猫のことで説明をします。
人に馴れていない猫は、人が触ろうとすると避けようとします。
飼い猫の場合は、大好きな飼い主が触ることから逃げようとはしません。
後者のさまが、この言葉が意味するものです。
「嫌がらない」の使い方
欲しくない、したくないといった気持ちを外に出さないさまを指して使用します。
「厭わない」と「嫌がらない」の違い
「ない」とい否定しているところは同じです。
前者は避けたりしないといった意味です。
苦労をすることも避けはしないといったものをいいます。
後者は、嫌だという気持ちを外に出さないことです。
「厭わない」の例文
・『苦労を厭わない』
・『期間が延長しても厭わない』
・『多少の犠牲は厭わない』
・『非効率でも厭わない』
「嫌がらない」の例文
・『エリザベスカラーをつけることを嫌がらない』
・『歯磨きを嫌がらない』
・『どんな仕事も嫌がらない』
・『重い物を持つことを嫌がらない』
まとめ
一方は普通は避けたりするものを避けないこと、もう一方は欲しくない、したくないなどの気持ちを外に出さないことをいいます。
2つの言葉はニュアンスが異なります。