「際して」と「関して」は、それぞれ、どのように使い分ければ良いのか。
この記事では、「際して」と「関して」の違いを分かりやすく説明していきます。
「際して」とは?
「際して」の「際」は、「実際」や「窓際」などに用いられる漢字で、意味は、「きわ」や「わかれめ」、「関係」、「機会」となります。
そのような意味を持つ「際」を用いた「際して」には、なにかの行為や事態に出会うこと、タイミングや状況などに関係する事柄といった意味があり、このようなことについて記すときに「際して」が用いられます。
「際して」の場合、話し言葉として用いられることは少なく、基本、文章に用いる言葉です。
そのため、さほど、馴染みがない言葉となります。
「際して」を日常的に用いる言葉に置き換えた場合、「○○において」や「○○について」、「○○するにあたり」などとなります。
「際して」の使い方
「際して」は、日常会話で用いられるというよりも、正式な文章、丁寧な文章などに対し用いられる言葉です。
使い方としては、「ご利用に際しまして」や「ご予約に際しまして」、「接客に際して」などといった形で用います。
「関して」とは?
「関して」の「関」は、「時間」や「隙間」、「長い間」、「関係」などに用いられる漢字で、意味は、「何かと何かのあいだ」となります。
そのような意味を持つ「間」を用いた「関して」には、何かに関係すること、関連していること、といった意味があります。
日常的にもよく用いられる言葉で、文章でも会話でも用いられています。
「関して」を言い換えた場合、「○○において」や「○○について」、「○○するにあたり」などとなります。
「関して」の使い方
「関して」は、日常的にもよく用いられる言葉です。
何に関係しているのか、といった意味で用いられ、「ダイエットに関して」や「宿題に関して」、「遠足に関して」などといった形で用います。
「際して」と「関して」の違い
それぞれ、漢字の意味を踏まえると違いが見えてきます。
「際して」の場合は、「きわ」という意味を持つ漢字が用いられることから、出来事の直前に用いる傾向があります。
それに対し、「関係する」という意味を持つ漢字が用いられていることから、「関して」は、ものごとに関係する際に用いられる傾向があります。
「際して」の例文
・『この件に際しましては、後日、改めてご説明させて頂きます』
・『当旅館のご予約に際しましては、以下の注意事項を必ずご確認ください』
・『飛行機の搭乗方法に際しての注意を話す』
・『ご入会に際しまして、様々な特典がございます』
「関して」の例文
・『修学旅行に関しては、プリントを確認してください』
・『子供に関して無関心な夫に腹が立つ』
・『新商品に関しての問い合わせが続いている』
・『この件に関しましては、一度、社の方に持ち帰って検討させていただきます』
まとめ
以上のように漢字の意味を踏まえるとわかりやすい、「際して」と「関して」となります。