この記事では、「可視化」と「見える化」の違いを分かりやすく説明していきます。
「可視化」とは?
「可視化」は「かしか」と読みます。
人には見ることの出来ない現象や状況、結果などについて、映像や表を用いて見えるようにすることを指します。
「可視」には、肉眼で見える状態という意味合いがあり、「化」はその状態に変化させるという意味があります。
「見える化」とは?
「見える化」は、元々はトヨタ自動車が企業の取り組みの一環として、業務改善や仕組みの見直しにおいて掲げたテーマとしての造語です。
意味合いとしては「可視化」と同様ですが、可視化の言い換えとして、また、企業や組織の戦略的取り組みとして、「見える化」と表現する際に使われています。
「可視化」と「見える化」の違い
「可視化」には、「肉眼で見えないものを見えるように」というニュアンスがあります。
対して、「見える化」には、「共通の認識として誰もが理解できるように」というニュアンスがあります。
例えば、「降水確率」は、雨が降る確率の数値は自然界に存在しないので、過去の気象データを分析して導き出した数値、つまり「可視化」した情報を「降水確率」として活用しています。
一方、「見える化」の例えとしては、「校則掲示ポスター」などがそうです。
生徒手帳に詳しく記載されていますが、イメージが掴みにくいものです。
これをポスターとして掲示板に貼りだせば、視覚的情報として、つまり「見える化」されて、生徒たちが自分の身なりと見比べて、ルールの基準を守れているかどうかの確認が出来ます。
「可視化」の例文
・『犬や猫の鳴き声の可視化技術は、人間が完璧に理解できるレベルに至っていない』
ペットの鳴き声は、飼い主によっては感じ取れる部分もあるが、言語としての可視化には、まだ時間がかかりそうだ。
・『巨大地震を予知するための可視化技術の進歩には、目を見張るものがある』
予測システムや警報システムなどの開発は、自然の驚異に立ち向かうというよりは、自然の中で暮らす私たちが順応するために必要な技術であると言えます。
「見える化」の例文
・『全ての作業員の安全を守るため、安全対策を「見える化」したことで、事故件数を激減できた』
朝礼での注意喚起や声掛けだけでなく、マニュアル配布やスローガンの掲示を行うのも、「見える化」の取り組みのひとつです。
・『「見える化」の取り組みを進めたことで、業務の無駄が浮き彫りになり、効率化の実現に近づいた』
部署間の連携や管理、テレワーク等について、ガイドラインと仕組みの見直しを行ったことにより、部署毎の指針が明確になり合理化に繋がった、という例です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「可視化」と「見える化」の違いについて解説しました。
「可視化」は、 「視認」を「可能」にする。
「見える化」は「認識」を「共有」する。
似たような言葉ではありますが、ニュアンスの違いが感じ取れると、言葉の活用に迷いがなくなります。
ぜひみなさんも、身の回りの事柄について、「可視化」と「見える化」に取り組んでみてはいかがでしょうか。