この記事では、「昇華転写」と「インクジェット」の違いを分かりやすく説明していきます。
「昇華転写」とは?
「しょうかてんしゃ」と読み、あらかじめ専用のシートにプリントし、熱でインクを気化して布を染める方法です。
布にインクを直接付けるのではなく、アイロンプリントのようなものになります。
手順は、まず、コンピューターなどで作成したイメージを、プリンターで昇華型インクを使い、転写シートに印刷します。
そのシートを印刷したいものと貼り合わせ、加熱し、インクを染み込ませます。
1950年代にフランスで考案された手法で、色の発色は鮮やかです。
また、製版代がかからないため、小ロットの場合には、割安になることがあります。
デメリットは、熱を使って印刷するので、熱に弱いものには使用できないことです。
また、アイロンに弱いこともあります。
「昇華転写」の使い方
昇華印刷を行う時に使います。
製版代がかからず、小ロットでも対応出来るのが特徴なので、Tシャツや、タオル、マスクなどの印刷に使われることが多くなります。
「インクジェット」とは?
インクを微滴化して、直接印刷したいものに対して吹き付ける方式の印刷方法です。
インクに圧力や熱を加えることで、「微粒子」に変え、印刷します。
基本的には、ドットプリンターと同じような方法になります。
ほとんどの生地に対し、印刷可能です。
デメリットは、洗濯などを繰り返していると、色落ちが起こりやすいという点になります。
「インクジェット」の使い方
インクジェットプリントを行うときなどに使用します。
また、用紙の説明として「インクジェット用紙」などということもあります。
インクジェット用紙とは、インクジェットプリンターでの印刷に使えるように、表面にコート剤が塗布されている紙のことです。
「昇華転写」と「インクジェット」の違い
印刷方法が違います。
「昇華転写」は、その字の通り、一度シートに印刷し、転写する方法です。
「インクジェット」は、細かいインクを印刷したいものに吹き付けることによって印刷する方法です。
また、インクも違います。
昇華転写に使うインクは、昇華インクといい、熱を加えて昇華させ、染色するためのインクです。
インクジェット印刷をするためのインクは、多くの場合液体タイプで、水性インクか溶剤インクがあります。
また、UVライトを照射すると硬化するUV硬化インクもあります。
昇華転写は、アイロンに弱く、インクジェットは洗濯による色落ちがしやすいというデメリットがあります。
また、昇華転写で印刷する場合、ポリエステルの生地に印刷することが多く、綿などの自然素材やナイロンには定着しにくくなります。
それに対し、インクジェットでは、ポリエステルはインクをはじいてしまうことがあるので、あまり向いていませんが、ほとんどの素材に印刷出来ます。
まとめ
昇華転写とインクジェットの違いについてみてきました。
違いは印刷方法と、印刷可能な素材でした。
違いを知って、役立ててください。