この記事では、「納得」と「妥協」の違いを分かりやすく説明していきます。
「納得」と「妥協」の違い
「納得」と「妥協」の違いについて紹介します。
「納得」と「妥協」の使い方の違い
「納得」は「相手の意見や現状を理解して受け入れること」に使われます。
相手の言うことに「なるほど」と思ったり、現在の状況を「それでいい」と判断することを言います。
「妥協」は「問題をスムーズに解決する為に、相手の意見や現状に対して譲り合うこと」に使われます。
対立している者同士が、「ここまでなら我慢できる」という一致点を見出すことを言います。
「納得」と「妥協」の英語表記の違い
「納得」の英語表記は以下の通りです。
1つ目は「convince」で「確信する」「納得する」という意味です。
“We are trying to convience them of the detail of the contract.”
(わが社は相手に対してその契約内容を納得させようとしているところだ)
2つ目は「understand」で、「理解する」「分かる」「納得する」という意味があり、ビジネスでも良く使われる便利な表現です。
“I understood your appropriate opinion.”
(私はあなたの適切な意見に納得しています)
「妥協」の英語表記は以下の通りです。
1つ目は「compromise」で、「折衷」「和解」「妥協」という意味です。
“It is important to compromise to get along well in society.”
(社会でうまくやっていく為には妥協することも大切だよ)
2つ目は「meet someone halfway”で、「道の半分で誰かに会う」=「妥協」というニュアンスです。
“We have to meet the halfway to make this work.”
(この交渉を成立させる為にはお互い妥協しなければならない)
「納得」の意味
「納得」は「なっとく」と読みます。
意味は「他人の意見や行動などを理解して受け入れること」です。
相手の主張や行動、現在の状況などを十分に理解して、それでよしとすることを言います。
我慢するのではなく、自分の考えと照らし合わせて受け入れる時の表現です。
「納」は「おさめる」とも読み「受け入れる」という意味、「得」は「える」とも読み「心にかなう」「分かる」という意味、「納得」で「分かって受け入れること」になります。
「納得」の使い方
「納得」は「相手の主張や行動、現在の状況などを理解して受け入れること」に使われます。
「納得する・した」「納得させられる・させられた」「納得できる・できない」と動詞を伴って使われたり、「納得して」と副詞として使われたりします。
基本的に、自分の考えはなく他の人の考えを判断する時に使われる表現で、最初は反対していても、その内容をよく理解することで受け入れられる場合もあります。
「納得」を使った例文
・『費用はすべてこちらが負担するとは納得のいかない話だ』
・『最初は胡散臭いと思ったが、説明を聞いて納得できた』
・『確かに事情があるのは分かったけれども、だからと言ってその提案には納得できない』
・『このホテルのサービスにはまったくもって納得できない』
・『この品質にこの値段ならば十分納得できる商品だと思う』
「納得」の類語
・「合意(ごうい)」
「相手と意見が一致することを」という意味です。
「取引先との合意により、今後は月末締めの良く10日支払いに決まった」などと使われます。
・「承諾(しょうだく)」
「相手の意見ややり方を理解して受け入れ、その様にして良いとすること」という意味です。
「上司に連休とつなげて有給休暇を取ることへの承諾を得た」などと使われます。
「納得」の対義語
・「不服(ふふく)」
「現在の規定に不満があり従う気になれないこと」「相手が自分に関してとった判断や態度に不満があること」という意味です。
「裁判での判決を不服として、上訴することにした」などと使われます。
「妥協」の意味
「妥協」は「だきょう」と読みます。
意味は「対立した事柄について、穏やかに解決する為にお互いが譲り合って一致点を見出すこと」です。
利害関係や思想の違いで対立している者同士が、ここまでなら我慢できる、仕方がないと思う点を探りながら、一致できる点を見出す様に調整することを言います。
本来は双方が譲れる点を見つけることを表しますが、どちらか一方が譲ることもあります。
いずれにしても「ものごとを穏やかに解決する為」という点が基本になっています。
「妥」は「穏やかに落ち着く」「事がおさまる」という意味、「協」は「調子を合わせる」という意味、「妥協」で「穏やかに落ち着く様に調子を合わせること」になります。
「妥協」の使い方
「妥協」は「対立した者同士が、穏やかに解決する為に条件を譲り合う様に調整すること」に使われます。
「妥協する・した」と動詞を伴って使われたり、「妥協して」と副詞として使われたりします。
多少は不利な点があっても、それ以上にメリットがあることを期待して、相手に条件を譲る時に使われる表現です。
「妥協」を使った例文
・『取引先と交渉して、単価を据え置く代わりに納期を早めることで妥協した』
・『夫と話し合って家事分担で妥協できる点を探した』
・『女性は結婚式の打ち合わせになると簡単に妥協しないのがすごい』
・『自分の趣味に関する買い物に関しては妥協したくない』
・『当事国同士が妥協すれば、戦争はもっと早く終わるのにと思う』
「妥協」の類語
・「折り合う(おりあう)」
「意見に相違のある者同士が、互いに譲り合って話をまとめること」という意味です。
「今日は何とかして取引先と折り合う様に幾つか提案を用意してきた」などと使われます。
・「譲歩(じょうほ)」
「それまでの考えを曲げて他人の意見に従う姿勢をみせること」という意味です。
「今回は譲歩して、相手に花を持たせてあげよう」などと使われます。
「妥協」の対義語
・「固執(こしつ・こしゅう)」「自分の意見を主張して譲らないこと」という意味です。
「彼女はいつまでも古いやリかたに固執している」などと使われます。
まとめ
今回は「納得」と「妥協」について紹介しました。
「納得」は「理解して受け入れること」、「妥協」は「お互いが譲り合って一致点を見出すこと」と覚えておきましょう。