「怪我の功名」と「災い転じて福となす」は、とてもよく煮た意味をもつことわざです。
どのような違いがあるのかを紹介します。
「怪我の功名」とは?
「怪我の功名」とは、失敗してしまったり何気なく行ったことが思わぬ良い結果に結びついたという意味のことわざです。
この場合、怪我という言葉は体を負傷するという意味ではなく、過ちやしくじりのことを指しています。
「穢れる」の当て字が「怪我」で、「穢れる」には汚れるとか誤るといった意味があります。
功名は、手柄を立てるとか功績を残して有名になるといった意味を持つ言葉です。
元々は「高名」だったのが、変化して「功名」となりました。
「怪我の功名」の使い方
「怪我の功名」を使った具体的な例を幾つか挙げてみます。
・料理で手順を間違えてしまったけれど、いつもより美味しくできたのはまさに怪我の功名といえるでしょう。
・リストラされて仕事を失ったけれど、怪我の功名か天職に出会えました。
・ルートを間違えてしまったけれど、こんなに素敵なお店に出会えたのは怪我の功名です。
「災い転じて福となす」とは?
「災い転じて福となす」とは、己の身に降りかかってきた災難を逆に利用して、良い結果に結びつけるという意味を持つ言葉です。
語源は中国の四字熟語「転禍為福」で、説話集や歴史書などに登場します。
蘇秦という人物が仕えている王に対して言った言葉とされます。
そこから「禍を転じて福と為す」ということわざが生まれ、「災い転じて福となす」になりました。
「災い転じて福となす」の使い方
「災い転じて福となす」を使った具体的な例を幾つか挙げてみます。
・健康診断でメタボリックシンドロームと指摘されダイエットに励んだら、健康になっただけではなくスタイルも良くなりました。まさに災い転じて福となすです。
・災い転じて福となすというから、受験に失敗しても頑張りましょう。
・地方に左遷されてしまったけれど、そこで奮起してがむしゃらに頑張った結果栄転することができました。災い転じて福となすとなったと思います。
「怪我の功名」と「災い転じて福となす」の違い
2つの言葉の違いは、良い結果が得られたのは偶然なのか本人が努力したためなのかにあります。
「怪我の功名」は、偶然良い結果につながったので本人が努力をしたわけではありません。
それに対して「災い転じて福となす」は、降りかかってきた災いを活かして本人が努力したため良い結果に結びついたのです。
また、「怪我の功名」の「怪我」は自分が行ったことや過失を表していますが、「災い転じて福となす」の「災い」は自分ではどうすることもできない降ってわいたような災難を表すことが多いです。
まとめ
「怪我の功名」はたまたま良い結果が得られたことを意味していますが、「災い転じて福となす」は努力して良い結果を掴み取ったことを意味しています。
偶然なのか努力した結果なのかに違いがあります。