「独擅場」と「土壇場」の違いとは?分かりやすく解釈

「独擅場」と「土壇場」の違い生活・教育

混同されやすい言葉として「独擅場」「土壇場」があります。

どちらも「場」という字を使った言葉ですがどのように意味が違うのでしょうか。

今回は、「独擅場」「土壇場」の違いについて解説します。

「独擅場」とは?

「独擅場」とは、「ひとりじめにして思うままにすること」を意味する言葉です。


「独擅場」の使い方

他の者の追随を許さずひとりだけで自由にすることを指して「独擅場」と表現します。

圧倒的な実力を示して他者に付け入るすきを与えなかったり独占して自由に活躍したりするのが「独擅場」です。

「独擅場」「どくだんじょう」という読みが一般的ですが本来は「どくせんじょう」というのが正しい読み方です。

「独擅場」「独擅」には「自分一人で誰にも邪魔されることなく好きなようにふるまうこと」という意味がありそのように振る舞える場所や環境のことを「独擅場」と表します。

「擅」という字が「壇」に似ていることから「どくだんじょう」と誤読が目立つようになり、いつの間にか誤読のほうが主流になって読みが置き換わり現在に至ります。

一人だけで思うままにする様子を指す言葉ですが強引な手段で無理やり自分だけのものにするのではなく圧倒的な実力に他者がついていけないような、結果としてひとりじめになっている様子に対して使われる言葉です。


「土壇場」とは?

「土壇場」とは、「物事の進退が極まる窮地」を意味する言葉です。

「土壇場」の使い方

「土壇場」が表すのは「ここよりも後がない状況」です。

限界いっぱいのギリギリまで追い詰められている状況が「土壇場」でありどのような結果であろうと次のチャンスはない状況を表します。

「土壇場」のもともとの意味は「首斬り系の処刑場」です。

首を斬る刑を執行するために罪人を引き出す場所が「土壇場」であり、首斬りの執行寸前というどうにもならない極まった状況であることから転じて「差し迫った状態」を意味する言葉として使われています。

「独擅場」と「土壇場」の違い

「独擅場」「土壇場」はどちらも「場」という字を使っていますがあらわす意味合いは正反対です。

「独擅場」「その場をひとりじめにして誰にも手出しされることなく自由にふるまっている状態」を表します。

考えられる状態の中でも理想に近い気分のいい場を指す言葉です。

「土壇場」は首を斬られる直前のような追い詰められ後がない状況を表します。

何とかしなければ待っている未来は不幸が確定しているが取りうる手段は非常に少なく極めて悪い状況を指す言葉です。

追い詰められてはいるもののまだチャンスは残されているので逆転する可能性もあります。

かなり苦しいがまだ終わっていないのが土壇場です。

「独擅場」の例文

・『長距離種目はアフリカ勢の独擅場である』
・『試合は投手の独擅場となり最終的は完全試合を達成した』

「土壇場」の例文

・『なんとか融資を取り付け土壇場で踏みとどまることに成功した』
・『あと1点で敗北という土壇場から逆転勝ちに成功した』

まとめ

「独擅場」「土壇場」はニュースなどでも使われる一般的な言葉です。

意味の取り違えが起きやすい言葉なので正確な意味を理解しておきましょう。