「魑魅魍魎」と「百鬼夜行」の違いとは?分かりやすく解釈

「魑魅魍魎」と「百鬼夜行」の違い生活・教育

魑魅魍魎も百鬼夜行も人ではない化け物や妖怪を表す言葉ですが、その意味は微妙に異なります。

魑魅魍魎と百鬼夜行の違いについて紹介します。

魑魅魍魎とは?

魑魅魍魎は、様々な妖怪や化け物を総称する言葉です。

魑魅は山の怪物を表しており、魍魎は海の怪物を表しています。

魑魅魍魎には4つの漢字が使われていますが、それぞれに化け物という意味があります。

「魑」は、山の気によって生じる化け物のことをいいます。

「魅」には化け物とか、もののけといった意味があります。

「魍」は、水や石の霊気から生まれる化け物です。

「魎」は、山や川に住む想像上の化け物を意味しています。

「魑魅」「魍魎」が一つになり、様々な妖怪や化け物を表す言葉となったのです。

魑魅魍魎という言葉が誕生したのは中国で、春秋左氏伝という歴史書に登場したのが始まりです。

ただし、「魑魅」「魍魎」は、山の神や水の神といった意味でも使われていたようです。

妖怪や化け物は不思議な力を持った非科学的な存在ですが、必ずしも悪い物とは捉えられていなかったと考えられます。

人知を超えた存在を表していました。

また、魑魅魍魎は比喩的な表現で使われることもあり、私利私欲に走る人のことを指していることもあります。

政治の世界には魑魅魍魎がひしめいている等の使い方をします。


百鬼夜行とは?

百鬼夜行とは、妖怪や鬼が夜に群れをなして出歩いている様子を言います。

「百鬼」には数の多さを表す百が使われているので、沢山の鬼という意味があります。

「夜行」には列をなして歩き回るという意味があります。

百鬼夜行は昔話やおとぎ話によく登場し、遭遇すると死んでしまうという言い伝えもありました。

暦の上では百鬼夜行が起こる日は決まっており、平安時代の貴族はその日になると出歩くことを止めたと言います。

また、百鬼夜行は今昔物語や宇治拾遺物語、大鏡、沙石集など様々な説話に登場します。

百鬼夜行は現在「ひゃっきやこう」ということが多いですが、本来は「ひゃっきやぎょう」というのが正しい読み方でした。


魑魅魍魎と百鬼夜行の違い

魑魅魍魎は、不思議な力を持っていて奇怪な現象を引き起こすこともある妖怪や化け物のことをいいます。

そこには山の怪物も海の怪物も含まれています。

それに対して百鬼夜行は、沢山の妖怪や化け物が夜に群れになって歩き回ることをいいます。

妖怪や化け物そのものを指している言葉が魑魅魍魎で、その妖怪たちが歩き回る様子を指しているのが百鬼夜行になります。

魑魅魍魎は、私利私欲を図ったり悪だくみをする人を指すこともあります。

そのため百鬼夜行よりも魑魅魍魎の方が耳にする機会は多いかもしれません。

百鬼夜行は昔話などに登場します。

まとめ

魑魅魍魎は人とは違う妖怪や化け物を表す言葉で、百鬼夜行は妖怪や化け物が夜に歩き回る様子のことを表す言葉です。

また、悪だくみを考えている人のことを魑魅魍魎と表現することもあります。