この記事では、「真似」と「パクリ」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「真似」と「パクリ」の違い
「真似」も「パクリ」も、他の人の作品やアイディアなどを、見たり聞いたり、読んだりして、それと同じような物を作ることを意味します。
しかし、この二つの言葉のニュアンスは大きく違います。
「真似」と「パクリ」の使い方の違い
「真似」と「パクリ」は動詞として使うと、「真似する」「パクる」になります。
どちらの言葉も、自分のアイディアではなく、他人のアイディアを見たり聞いたりして、何かを作ることを表す言葉です。
「真似」の本来の意味は、「何かを見て、それと同じように作る」ことです。
しかし使い方によって良くも悪くも解釈されます。
「真似っ子〇〇ちゃん」と言えば、人の真似ばかりしているのを批判していて、意味合いとしてはネガティブです。
「パクリ」方は、誰かの作品やアイディアを勝手に盗んで自分のアイディアとして振舞うことで、完全に悪い意味として使われます。
「真似して作った」と「パクリで作った」では、ニュアンスがまるで違います。
「真似」と「パクリ」の英語表記の違い
「真似」は英語で、「imitate」「copy」 「akt like」 になります。
ちなみに「akt like」は、行動を真似するときに使います。
「パクリ」は、英語にすると「copy」「steel」が当てはまります。
ただし「copy」は、「真似」とも訳せます。
「steel」は盗むという悪い意味を表現する英語で、まさに「パクリ」の英訳としてはぴったりです。
「真似」の意味
「真似」とは「真に似せる」ということです。
その語源は「まねぶ、まなぶ」(学ぶ)と同じだとの説があります。
ある物をお手本として、限りなく同じような物を作ることを表現します。
「真似することから学ぶ」と良く言われますが、これは日本人にとって「真似」が悪いことではないのを表しています。
ちなみに、真似する対象作は物、動作、作品、アイディアなど様々です。
「真似」の使い方
「真似」は、良くない意味を含むと考える人がいます。
しかし、使う人の心情、状況により、良い方にも悪い方にも解釈できる言葉です。
例えば「私の真似をしたのでしょう」と不満や怒りが伴って発言しているのであれば、悪い意味として解釈できます。
しかし先生や講師が「これを真似して、同じように作ってください」と言った場合では、お手本を見て学んで下さいとのニュアンスが伝わってきます。
つまり悪い意味としては解釈されません。
「真似」を使った例文
・『頑張って真似しても、結局は全然ちがう物になってしまった』
・『人の真似ばかりせずに、自分で考えて書きましょう』
・『真似したくなるほど素敵なコーディネートですね』
・『うまく真似できるかどうかわからないけれど、チャレンジします』
「真似」の類語
「真似」の類語には、「模倣」「模擬」「似せる」があります。
また絵などの美術作品などを真似することは「模写」になります。
「真似」の対義語
「真似」と反対の言葉としては、自ら考え出して何かを作るとの意味を持つ「創作」が適切でしょう。
また外来語の「オリジナル」もこれに近い意味を持ちます。
「パクリ」の意味
「パクリ」には、物を盗むという意味があります。
動詞にすると「パクる」で、「お金をパクる」「商品をパクる」などが例です。
そして他の人の作品やアイディアをそっくりそのまま真似して作ることも、パクると言います。
「パクリ」の使い方
「パクリ」は、良い意味を持ちません。
他人に属する物、アイディアなどを、そのままそっくり真似して無断で登用する行為に対して使う言葉です。
また、「パクリ」が使われる時には、絵画、映像、論文、デザインなど、何らかの利権が絡むケースも決して少なくありません。
「パクリ」を使った例文
・『あの作品は絶対にパクリだよ』
・『パクリだと思われて大変な目にあったよ』
・『あの映画は最初から最後まで全部がパクリだった』
・『パクリでも良いから、とにかく仕上げて持って来い』
「パクリ」の類語
「パクリ」と同じ意味を持つ言葉は、「盗作」になります。
他にもブランド物などを、そっくりそのまま真似したものは「フェイク」と呼ばれていて、これもパクリと同じような意味を持ちます。
「パクリ」の対義語
「パクリ」と反対の意味を持つ言葉は、やはり「創作」です。
盗んで作るのではなく、自分で考えて作るという意味の言葉です。
「オリジナル」も反対の意味を持ち、「パクリ」の対義語になります。
まとめ
「真似」と「パクリ」は、他の人の作品やアイディアを見て、同じものを作ることを意味します。
しかし「真似」は色々なケースに使える一方で、「パクリ」は盗むという意味を含みます。
そのために、良い意味で使うことは、ほぼありません。
「真似」と「パクリ」、この二つの言葉をきちんと使い分けて、正しい日本語表現をするよう注意しましょう。