この記事では、「意思」と「意識」の違いを分かりやすく説明していきます。
「意思」とは?
「意思」は「いし」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「何かをしようとする時によりどころとする心の働き」という意味で、心の中である行動をしようと思う働きのことです。
2つ目は「民法用語で、ある動作をする直接の原因となる心の動き」という意味で、あることをしたいと思って行動に移す時の心持地のことです。
3つ目は「刑法用語で、「自分のしたことに対してはっきりと認識していること」という意味で、犯罪を犯した時に自覚しながら行動することです。
上記に共通するのは「心にある思いが生じる」という意味です。
「意思」の使い方
「意思」は名詞として「意思がある・ない」「意思に任せる」「意思を尊重する」などと使われます。
基本的に、何かをしようと思ったり、行動する為に考える元となる心の働きに使われる言葉です。
同じ読み方をする言葉「意志」がありますが、こちらは「あることをしたいか、したくないかを判断する心の働き」という意味です。
「意識」とは?
「意識」は「いしき」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「心がはっきりと自分を持っている状態」という意味で、自分という存在を心で認識している状態のことです。
2つ目は「外界のものごとや状態にはっきり気づくこと」という意味で、そのことに対して特に注意を傾ける様になることです。
3つ目は「あるものごとに対して内面で興味や関心、自覚などを持つこと」という意味で、常日頃から気持ちを向け続けている状態のことです。
4つ目は「心理学用語で、自分の精神に生じることを認めている状態」という意味で、自分の精神の変化に気づいている状態のことです。
上記に共通するのは「自我を持った状態」という意味です。
「意識」の使い方
「意識」は名詞として「意識する・した」「意識がある・ない」「意識が高い・低い」「意識高い系」などと使われます。
基本的に、心ではっきりと自分を認めている状態のことや、ある人やものごとに対して注意や関心を寄せている状態に使われる言葉です。
「意思」と「意識」の違い
「意思」は「何かをしようと思ったり、行動する為に考える元となる心の働き」という意味です。
「意識」は「心ではっきりと自分を認めている状態」「ある人やものごとに対して注意や関心を寄せている状態」という意味です。
「意思」の例文
・『治療方針については患者の意思を尊重する』
・『子供の意思を尊重して専門学校に進学させる』
・『初デートの行き先は彼氏の意思に任せる』
・『本人の自由意思により性転換手術を受けさせる』
「意識」の例文
・『気を失っていた人が意識を取り戻す』
・『優勝を意識してプレーがぎこちなくなる』
・『最近先輩の存在を意識する様になった』
・『彼女は意識高い系の人だ』
まとめ
今回は「意思」と「意識」について紹介しました。
「意思」は「行動する時の元となる心の働き」、「意識」は「自分を認めている状態」「注意や関心を寄せている状態」と覚えておきましょう。