この記事では、「見くびる」と「恩賜」の違いを分かりやすく説明していきます。
「見くびる」とは?
「見くびる」とは相手を軽く見て侮ること、相手の実力を過小評価したり、大したことのない相手だと油断し甘く見ることを指す言葉です。
上から目線で相手を見下す、相手を見下げるという意味もありますが、単純に見下す、見下げると全く同じ意味というわけではなく、自分が上から相手を見ているとは限りません。
実力などの点で本当は自分より上にいる相手を自分と同等だとみなすことも「見くびる」に当てはまります。
単純に相手を自分より下に見るということではなく、相手のことを実態より下だと思いこんでいるから、結果的に自分より下にいるように振舞う事が多くなるという状態です。
人から人に対して使われることが多い言葉ですが、人が物に対して過小評価することにも使われます。
見ている対象を実際よりも悪いものとして捉えていることを指す言葉なので、ネガティブな意味を持っている言葉です。
「恩賜」とは?
「恩賜」とは君主からその臣下などへ、功績や忠誠を認め報いるために贈られる物品、またはそういった物品を贈ることを指す言葉です。
国家を治める最高位にいる君主から、臣下や国民へと贈られるものなので、必然的に贈る相手は贈る側の君主より下の立場です。
そのため下という文字を使い下賜と言い換えられることもあります。
基本的には天皇や国王から偉業を達成した人に対して、その功績を称えて何かを授与するということが多いですが、必ずしも特定個人に対して贈られるものとは限りません。
君主が所有していた土地や建物を、国民が誰でも使える公園や庭園などとして公共施設にする場合は、特定個人ではなく全ての国民に対する「恩賜」となります。
「見くびる」と「恩賜」の違い
「見くびる」と「恩賜」の違いを、分かりやすく解説します。
相手を過小評価して実態よりも下に診ることが「見くびる」で、君主から臣下への贈り物やそれを贈ることが「恩賜」です。
「見くびる」場合は自分より下に見ていないこともありますし、下に見ている場合は無根拠な見下しですが、「恩賜」は君主から臣下など下の立場にいる相手にものを贈ることなので、必然的にれっきとした上下関係があります。
また「見くびる」ことはマイナスイメージしかないネガティブな言葉ですが、「恩賜」は臣下への褒美として贈られるようなものなので、基本的に良いことです。
まとめ
「見くびる」も「恩賜」もどちらも上下関係があるものと思いがちですが、「見くびる」場合上下関係は重要ではありませんし、因果関係も両者で違います。
「見くびる」は相手を過小評価することが重要なポイントであり、その結果相手を見下す形です。
「恩賜」は最初から君主と臣下という関係で、地位や権力的に明確な上下関係があり、その上で君主から下の相手に贈り物をすることを指すことであり、上下関係はありますが、悪いことではありません。