音楽関連で見聞きすることの多い言葉「リミックス」と「アレンジ」ですが、それぞれどのような意味を持っているのでしょうか?
この記事では、「リミックス」と「アレンジ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「リミックス」とは?
「リミックス」とは、オリジナルとなる既成の楽曲や音源を再調整し、別の曲を作り出すことを指す言葉です。
英語では“remix”と表記されます。
音響機器を使って楽曲の音色やバランスなどに調整を加える作業のことを「ミキシング」=“mixing”と呼びます。
一度「ミキシング」して完成された楽曲に再調整を加えるため、“mixing”=「ミキシング」に「再び」や「繰り返し」の意味を持つ英語の接頭辞“re”をつけて“remix”=「リミックス」と呼ばれるようになりました。
「リミックス」が発展したきっかけを辿ると1970年代後半のニューヨークに遡ります。
当時のニューヨークはディスコブームに火が付いており、ディスクジョッキーが踊りやすいように既成の楽曲の一部パートを引き延ばしたり、不要なパートを除いたりして調整を加えていました。
その後、ダンス用にリミックスを加えた「ダンス・リミックス」が人気を博すようになり、もともとダンス向けではないジャンルの楽曲にもオリジナルバージョンに加えて、ダンス・リミックスバージョンのトラックがカップリングで収録されるようになったようです。
やがて、「リミックス」の定義はダンス用として再調整することに限らず、オリジナルとなる楽曲に再調整を加えて、全く新しい楽曲を生み出すことも含めるようになりました。
現在では、パソコンや音響ソフトの普及に伴い、素人や初心者でも気軽に「リミックス」を行うことが可能となっています。
「アレンジ」とは?
「アレンジ」とは、メロディーに和音やリズムを付け加えることを指す言葉です。
英語では“arrange”と表記され、日本語では「編曲(へんきょく)」とも呼ばれています。
私たちが普段耳にする商品としての楽曲は、この「アレンジ」が加えられたものと言えるでしょう。
また、「アレンジ」はクラシック曲をロック調に変えたり、ジャズの曲をヒップホップ調へ変えるなど楽曲をオリジナルとは違うジャンルやスタイルへ再調整することも含まれます。
「リミックス」と「アレンジ」の違い
「リミックス」と「アレンジ」の違いを、分かりやすく解説します。
・「リミックス」とは、オリジナルとなる既成の楽曲や音源を再調整し、別の曲を作り出すことです。
・「アレンジ」とは、「編曲」とも呼ばれ、メロディーに和音やリズムを付け加えることや、原曲をオリジナルとは違うジャンルやスタイルの楽曲へ再調整することです。
「アレンジ」が原曲の要素を残しつつ再調整されるのに対して、「リミックス」では原曲の要素をダイナミックに取り替えたり、取り除いたりされることもあります。
そのため、「オリジナルをベースにしつつ派生的な楽曲へ再調整する」という意味合いの「アレンジ」に比べて、「リミックス」は「オリジナルをベースにしつつ、全く別の新しい楽曲を生み出す」という意味合いが強いようです。
まとめ
「リミックス」と「アレンジ」はいずれも楽曲の編集や調整に関係する言葉でしたが、定義に若干の違いがありました。
ちなみに、「アレンジ」という表現は音楽関連のみならず、あらゆる作品においてオリジナルに工夫を加えたり、オリジナルをベースにした派生作品を生み出すことにも用いられています。