物事の流れや概要を説明するものとして「目次」と「次第」があります。
このふたつはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「目次」と「次第」の違いについて解説します。
「目次」とは?
「目次」とは、「書物や論文など長い文書を読みやすくする手がかりとして見出しをまとめた一覧表」を意味する言葉です。
「目次」の使い方
図書や雑誌、論文や説明書など全体として文章の量が多く一目見ただけではどこに何が書かれている探しにくい文書を読む手がかりとして設けられる「見出しのリスト」が「目次」です。
一般的に「目次」とは「章や節など長い文書の節目ごとに付けられている見出しやタイトルにページ数を添えて一覧にまとめたもの」を指す言葉です。
「目次」を見れば街灯の見出しが何ページに書かれているのかひと目でわかるので読みたい箇所をすぐに見つけて読む手がかりとして便利に使われます。
通常は文書の先頭部分に掲載されますが先頭ページにグラビア写真や特集記事を掲載したい雑誌などでは巻末に掲載されるケースも見られます。
「目次」は文書全体の構成を表すものでありどのような内容が書かれているのか概要を知るのにも役立ちます。
文書を作成するときに最初に「目次」を作成しておおまかな構成を決めてからそれにそって内容を記述していく書き方もあります。
「次第」とは?
「次第」とは、「物事が行われる際にあらかじめ決められている一定の手順や順序」を意味する言葉です。
「次第」の使い方
「次第」は卒業式や入学式などの式典で主に使われる言葉です。
本来の「次第」は「物事の成り行き」や「そうなるまでに至る流れ」といった「時間経過と物事の移り変わりを合わせて説明すること」という意味合いがあります。
式典などで使われる「次第」という言葉も「時間経過に合わせて予定しているやるべきこと」を表しています。
最初に開会の挨拶から始まり校長のスピーチを終えてから卒業証書を授与し送辞を読み上げる、といったような式典の項目を順番に合わせて並べて説明したリストが「次第」です。
「目次」と「次第」の違い
「目次」と「次第」はどちらも一覧表やリスとをさす言葉ですが「対象とするもの」に違いがあります。
「目次」は書籍や論文など文書を対象にした見出しのリストをさす言葉で基本的には文書以外には使いません。
「次第」というのは式典やイベントなどでやるべきことを手順にそって並べたリストを指します。
これから人がやる予定をまとめたものを指す言葉なので文書等に対しては使わない表現です。
「目次」の例文
・『本の目次を見て内容を確かめる』
・『鉄の融点が何度だったかを知るために目次で内容を確認してから該当ページを開いた』
「次第」の例文
・『卒業式は式次第に沿って粛々と進められた』
・『事前の式次第では午後3時に終わる予定だったが来賓スピーチが長引いたため終了したのは3時半だった』
まとめ
「目次」と「次第」はどちらも項目を一覧にしたリスト指す言葉ですが対象とするものが違います。
俗語的な使い方で予定の行動一覧を「目次」と表現することもありますが本来の意味はまったくの別物です。
正確な言葉の意味を覚えて混同しないよう注意してください。