キエフはウクライナの首都ですが、キーウという呼び方もあります。
キエフとキーウにはどのような違いがあるのか紹介します。
キエフとは?
キエフはウクライナ最大の都市で、首都でもあります。
ウクライナの政治や経済、文化、交通の中心地です。
東スラブ人の部族の一つであるポリャーネ族が住む集落が発展して、都市を形成したといわれています。
東ヨーロッパ最古の都市として知られ、キエフという名前はキエフを創建したキーイという人物に由来します。
キエフには、キーイの都市という意味があります。
キーイはポリャーネ族の貴族としてルーシ年代記に登場しますが、実在したかどうかはよく分かっていません。
キエフは、ロシア語の発音に基づく言葉です。
ウクライナは第二次世界大戦後、ロシアを主体とするソビエト連邦の一部でした。
その後、ソビエト連邦が崩壊したためウクライナは1991年に独立しています。
その際、キエフはウクライナの首都となりました。
キーウとは?
キーウはキエフのことで、その発音は現地のウクライナ語に由来しています。
ウクライナが独立したのは1991年ですが、その4年後の1995年に英語表記もキエフ(Kiev)からキーウ(Kyiv)に正式に変更されました。
ウクライナでは、キエフ(Kiev)ではなくキーウ(Kyiv)を使おうという運動が起こるようになります。
ウクライナには、ロシアに近い親ロシア派のグループと西欧の民主主義を志向するグループの2つが存在します。
以前は親ロシア派が政権を握っていましたが、マイダン革命が起き親ロシア派だったヤヌコーヴィチ大統領が失脚します。
それを理由にロシアはウクライナに軍事介入を行い、クリミアを併合してしまいました。
そういった事情もあり、ロシアのイメージを払拭しようと盛んにキーウを使うようになったのです。
キエフとキーウの違い
キエフとキーウの違いは、ロシア語の発音なのかウクライナの発音なのかにあります。
ロシア語の発音なのがキエフで、ウクライナの発音なのがキーウです。
日本では圧倒的にキーウよりもキエフの方が認知度が高く、新聞やテレビなどメディアのニュースでもキエフが用いられています。
外務省もキエフを正式な表記としていますが、キーウやキイフも併記することは可能としています。
ただし、イギリスやフランスなどヨーロッパの国々では、キエフではなくキーウと表記することが多いです。
現地のウクライナの人たちを尊重しようという思いが感じられます。
英語圏のニュースを日本語に翻訳する際には、キーウと表記していることもあります。
そのような流れもあり、日本でも今後はキエフではなくキーウを使うようになるかもしれません。
まとめ
キエフとキーウの違いは、由来がロシア語の発音なのかウクライナの発音なのかにあります。
ロシア語の発音がキエフで、ウクライナの発音がキーウになります。
日本ではキエフの方がよく知られています。