携帯電話の利用料金がキャリアの思うままに決められていた時代には、ユーザーを囲い込む戦法として「通信料無料」、「端末料金実質0円」とかの謳い文句が横行していました。
これらはさまざまな改革によって、ほとんど聞くことはなくなりましたが、やはり似たような宣伝は別の分野では無くなることはありません。
さて、ここで使用した「無料」「0円」、それから「無償」とはどういう意味でしょうか。
違いはどこにあるのでしょうか。
この記事では、「無料」と「0円」と「無償」の違いを分かりやすく説明していきます。
「無料」とは?
「無料」とは、文字通り、「支払う料金が無い」ことです。
つまり、「差し上げる」と同等になります。
商品やサービスの対価としての「無料」は利益がなくなるので、ほとんどは期限がついたり、一定の条件を満たす場合のみであることが多いと言えます。
英語では、「free」です。
「0円」とは?
「0円」とは、文字通り、「払うお金が0であること」です。
これはニュアンスとして、「結果的に」とか、「実質的に」という感覚が含まれます。
すなわち、「この商品の値段は100円ですが、今回は貯めてあったポイントが使用できるので0円です」とか、「一旦1000円お支払いいただきますが、来月1000ポイント還元されるので実質0円になります」という場合です。
英語では、言うまでもなく「0 yen」です。
「無償」とは?
「無償」とは、「代償は無い」という意味です。
言い換えると、「対価として何も求めません」とも言えます。
商品やサービスの対価だけではなく、「働いた対価」や「愛した対価」、「助けてあげた対価」などに対しても用いられる便利な言葉で、自己犠牲の精神を具現化する場合に用いられます。
英語では、この意味では「uncompensated」が最も近いでしょう。
「無料」と「0円」と「無償」の違い
「無料」と「0円」と「無償」の違いを、分かりやすく解説します。
これらは、「お金を払わなくてもいい」という意味においては同じなのですが、実は微妙な違いがあります。
それは、その言葉を使うことによって最も伝えたいことは何かという部分にあります。
例えば、「無料」で伝えたいのは「お金を一切いただきません」、「0円」は「差し引きの結果0円になりましたので」、そして、「無償」は「代償として何も求めません」という主張です。
受け取る側としては、「0円、「無料」、「無償」の順番に嬉しさが大きくなりますが、この辺りは人によって感じ方は変わるでしょう。
まとめ
この記事では、「無料」と「0円」と「無償」の違いを説明してきました。
何らかの商品やサービスを購入するにあたって、一切の料金を払わないというのはあり得ないことです。
なぜなら、提供者に利益がないからです。
にもかかわらず、「実質的な無料」があり得るのは、「損して得取れ」という日本に古くから存在する商いの方法によるものです。
つまり、利益を得られる道が2つある場合に、一方の値段を下げても、それによってもう片方がそれ以上に上がれば結果としては儲かるということです。