この記事では、「教える」と「指導する」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「教える」と「指導する」の違い
「教える」とは、学問や技術などを相手に身につけさせようと導くことです。
「指導する」とは、ある目的が達成されるように導くことです。
「教える」の場合は、目的達成のために導くとい意味はなく、相手が知らないことを伝えるといった意味になります。
たとえば、小学校1年生は読めない漢字がたくさんあります。
読めない漢字は、相手が知らない情報といえるでしょう。
これらを読めるように情報を与えることが「教える」です。
「指導する」の場合は、特定の目的があります。
たとえば、大学のゼミではテーマを決めて研究・発表をします。
ゼミの教授は学生に対して、テーマの決め方、研究の仕方などを伝えます。
これらは学生が研究を進められるようにするなどの目的があり、行われます。
こういったことを「指導する」といいます。
「教える」と「指導する」の使い方の違い
自分が知っている情報を相手に伝えることに「教える」を使用します。
知識や技術などを伝えることも「教える」といいます。
ある目的達成のために導くことに「指導する」を使用します。
「教える」と「指導する」の英語表記の違い
「教える」は英語で、学問などを伝える意味では“teach”と表現をし、告げる意味では“tell”と表現をします。
「指導する」は英語で、“lead”や“guide”と表現をします。
「教える」の意味
「教える」とは、学問や技術などを見につけさせるために導くこと、知っていることを相手に伝えることです。
小学校や中学校では、算数や国語などの知識を身につけさせようという活動が行われています。
先生が生徒に対して、学問や技術を身につけさせようとしており、先生の立場から見た場合に「教える」といいます。
生徒側からすると「教えられる」です。
学校で教えていることは、知識や技術などを見につけさせようという意外の目的はなく、「教える」という言葉には、特定の目的を達成させるためといった意味は含まれていません。
他の例でも考えてみます。
ある商品がセールで半額で売られていました。
その商品を欲しいと言っていた友人がいるのですが、友人はその商品が半額で売られていることを知りません。
そこで、友人に半額になっていることを伝えてあげました。
これは、相手が知らない情報を伝えていることであり、「教える」といいます。
「教える」の使い方
知識や技術などを見につけさせるために導くこと、自分が知っている情報を相手に伝えることを指して使用します。
相手が知らないことを伝える意味で広く使われる言葉です。
たとえば、天気予報で雨だといったいたことを伝える、あるコンサートのチケットが販売開始されたことを伝えるなども「教える」といいます。
「教える」を使った例文
・『夜会巻きのやり方を教える』
・『パソコンの使い方を教える』
・『すぐに怒りだすので教える方は疲れる』
・『教える立場の人』
・『料理のコツを教える』
「教える」の類語
「指導する」「教育する」「指南する」が類語です。
「教育する」には、学校で生徒に知識を与えたり、技術を身につけさせたりすることという意味があります。
「指南する」には、日本の伝統芸能や武術などを教えるという意味があります。
「教える」の対義語
「教えない」が対義語です。
「ない」には打ち消しの意味があります。
「指導する」の意味
「指導する」には、ある目的を達成するために導くという意味があります。
たとえば、絵をうまく描けるようになりたいと考えて、絵画教室に通っていた人がいたとします。
そこでは、講師が生徒に対して、道具の使い方や絵をうまく描くためのコツを伝えてくれたりします。
これらの行為は、絵をうまく描けるようになるためという目的があり、行われています。
このような行為を指して「指導する」といいます。
「指導する」のは講師で、生徒は「指導されている」ことになります。
「指導する」の使い方
ある目的を達成するために教え導くことを指して使用します。
「指導」をするのは目的があります。
単に情報を伝えることには、「指導する」という言葉は使用しません。
「指導する」を使った例文
・『熱心に指導する』
・『指導する○○監督の姿がかっこいい』
・『部下を指導するのは難しい』
・『小さな子どもを指導する立場と指摘をつけていること』
・『優しく指導するように心がける』
「指導する」の類語
「教える」「教育する」「指南する」が類語です。
「指導する」の対義語
「指導しない」が対義語です。
まとめ
似たような意味を持っている言葉ですが、「指導する」は目的を達成するために導くことで、「教える」は情報を相手に伝えることで目的達成の意味は含んでおらず、この点が大きな違いです。