「奇しくも」と「惜しくも」は、どのように使い分ければ良いのか。
この記事では、「奇しくも」と「惜しくも」の違いを分かりやすく説明していきます。
「奇しくも」とは?
「奇しくも」は、「くしくも」と読みます。
「奇しくも」には、「奇」という漢字が用いられ、この「奇」には、珍しい、普通ではない、怪しい、不思議な、思いがけない、といった意味があります。
そのような意味を持つ漢字を用いた「奇しくも」の意味は、偶然にも、不思議にも、です。
不思議に思う出来事に対して、普通では考えられない出来事に対して、思う気持ちを表します。
言い換えれば、「奇跡的に」や「不思議なことに」、「奇妙にも」などと同じです。
「奇しくも」の使い方
「奇しくも」は、「奇しくも」どのようなことが起きたのかを説明する際に用いられる言葉です。
「奇しくも○○だ」や「奇しくも○○だった」などといった形で用います。
「悔しくも」とは?
「悔しくも」は、「くやしくも」と読みます。
「悔しくも」には、「悔」という漢字が用いられています。
意味は、くやしい、くやむ、くいる、です。
このような意味を持つ漢字を用いた「悔しくも」は、その漢字の意味通り、非常に悔しいことを意味します。
自分の行いなどに対し歯がゆい、思い通りにならず残念でたまらない、後悔する、悔やむ、などが「悔しくも」となります。
言い換えれば、「不本意ながら」や「やむなく」、「あえなく」などと同じです。
「悔しくも」の使い方
「悔しくも」は、「悔しくも」どうなったのかを表す言葉です。
例えば、「悔しくも負けてしまった」や「悔しくも逃してしまった」などといった形で用います。
「奇しくも」と「惜しくも」の違い
「奇しくも」と「悔しくも」は、読み方が似ている以外に似ている点はありません。
「奇しくもは、珍しい、普通ではない、怪しい、不思議な、思いがけない、ことを指す言葉。
「悔しくも」は、自分の行いなどに対し歯がゆい、思い通りにならず残念でたまらない、ことを指す言葉で、全く異なった意味を持つ言葉です。
「奇しくも」の例文
・『奇しくも、別れた彼女と思い出の場所で再会をした』
・『子供が生まれた日は、奇しくも亡くなった父の誕生日でした』
・『奇しくも、母は自分の誕生日に亡くなりました』
・『私たち姉妹は、奇しくも同じ誕生日です』
「悔しくも」の例文
・『悔しくも、あと一点の差を最後まで埋めることができず、負けてしまいました』
・『悔しくも、雨で大会が中止となってしまいました』
・『今回のテストでは、悔しくも、目標点を達成することはできませんでした』
・『悔しくも、あと少しで勝利を逃してしまいました』
まとめ
このように、「奇しくも」と「悔しくも」は、読み方が似ているだけで意味は全く違います。
その違いは、「奇」と「悔」の漢字の違いを考えればわかりやすく、決して、同じ意味として使うことがないように注意しなければなりません。