この記事では、「快適性」と「利便性」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
快適性と利便性の違い
「快適性」とは、心身に不快なところがなく、気持ちがよい性質のことです。
持続性のある、環境から受ける気持ちよさを指しています。
「利便性」は便利なことです。
便利には、あることをするのに都合がよいことという意味があります。
「快適性」は気持ちよさについて、「利便性」は物事を行うことについてを意味している点が違います。
ここに一つのソファーがあります。
座ってみるとお尻にしっくりときて、座っていて筋肉にこわばりを感じたり、座面が当たって痛かったりすることがなく、気持ちよく座ることができます。
このような気持ちよい性質を「快適性」といいます。
ソファーの中には、背もたれを倒したり、座面に収納されているマットレスを引き出したりすることで、ベッドとして使用できるものがあります。
このようなソファーは、座ることにも眠ることにも使用できて便利です。
こういった便利なことを「利便性」といいます。
快適性と利便性の使い方の違い
気持がよいことに「快適性」という言葉を使用します。
特に持続的な環境から与えられる気持ちよさに使用されます。
「利便性」は便利なことに使用をします。
ある目的にかなっていることが便利です。
快適性と利便性の英語表記の違い
「快適さ」のことを英語では“comfort”と表記をします。
「快適な」は“comfortable”です。
「利便性」は英語で“convenience”と表記をします。
快適性の意味
「快適性」とは、心身に不快なところがなく、気持ちがよいことです。
一時的なものではなく、持続的なものを指しています。
気持がよく感じることは人によって違うため、「快適性」にあてはまる気持ちがよいことは、人によって違います。
快適性の使い方
環境から与えられる持続的な気持ちよさに使用をします。
マッサージを受けると気持ちよく感じる人は少なくありません。
しかし、マッサージで気持ちがよいことには「快適性」は使用しません。
マッサージはそれを受けているときだけ、一時的なものであり、また環境から与えられるものではありません。
「快適性を追求した家」のような使われ方をしています。
家は長い間住むものです。
そして、家の空間は環境といえます。
気持よく感じるものは人によって違いますが、夏は涼しく冬は暖かく、防音性に優れているような家は「快適性」が高いといわれます。
快適性を使った例文
・『快適性を評価する』
・『快適性の高い家作りを目指す』
・『快適性を追求した車』
・『快適性の向上を目指す取り組み』
・『快適性の指標となるもの』
快適性の類語
「快適」の類語は「快い」「爽快」です。
「快い」には、気持ちよく感じるさまという意味があり、「爽快」には、爽やかで気持ちがよいさまという意味があります。
しかし、「性」をつけて「快い性」「爽快性」とはいいません。
快適性の対義語
「不快」が対義語です。
「不快」には、嫌な気持ちになることという意味があります。
利便性の意味
「利便性」とは便利なことです。
利便には、都合がよいこと、便利という意味があります。
便利とは、ある目的を達成するために都合がよいことです。
毎日大量の食器洗いを手で行うのは、時間がかかり大変です。
しかし、食器洗い洗浄機を使えば、食器と洗剤を洗浄機の中に入れて、スイッチを押すだけで、大量の食器を洗って乾かしてくれます。
食器洗いの時間を短縮したい、食器洗いの苦労から解放されたいと考えていた人にとっては、食器洗い洗浄機は便利なものといえます。
便利さの程度を表すことや便利なもののことが「利便性」です。
利便性の使い方
便利なことを表すときに使用をします。
先が割れているスプーンは、スプーンとしてもフォークとしても使うことができて、食べものをすくうのにも刺すのにも都合がよいです。
このスプーンのことを「便利なスプーン」といえますが、「利便性なスプーン」とはいいません。
この場合は「利便性のあるスプーン」「利便性の高いスプーン」といいます。
便利さの程度を表すときには、「利便性が高い」のような使い方をします。
利便性を使った例文
・『利便性を追求する』
・『従来よりも利便性が向上した製品です』
・『利便性を備えた家』
・『利便性が高い立地』
・『利便性の高さが好評だ』
利便性の類語
「便利」や「重宝」が類語になります。
「便利」とは、ある目的を達成するために都合がよいことです。
「重宝」とは、便利で役に立つことです。
利便性の対義語
「不便」が対義語です。
「不」は打消しの意味があり、「不便」は便利でないという意味になります。
まとめ
「快適性と利便性を備えた」など、似ているような場面で使われることがありますが、「快適性」は心地よさのこと、「利便性」は便利さのことで、意味しているものは違います。