この記事では、「独占禁止法」と「過度経済力集中排除法」の違いを分かりやすく説明していきます。
専門知識を学びましょう。
「独占禁止法」とは?
独占禁止法とは昭和20年代に始まった、資本主義にまつわる法律です。
独占禁止法がつくられた目的は、複数の企業に自由な取引ができる環境を与えたこと。
そして消費者が自由に買い物できる市場に整えたことです。
また独占禁止法では企業がしてはいけない、いくつかのルールを定めました。
それにはカルテルの禁止、私的独占の規制などがあります。
カルテルというのは同業者同士がこっそり話し合いをおこない、商品の単価を釣り上げていく行為です。
また私的独占とは、あるメーカーが取引先を味方につけて、ライバル社をマーケットから追い出そうと働く不正行為をいいます。
独占禁止法に違反すると、法人では5億円以下の罰金があたえられます。
自由な競争をうながす法律が、独占禁止法です。
「過度経済力集中排除法」とは?
過度経済力集中排除法とは、戦後まもなく作られた法律のこと。
現在はない、過去の政策です。
当時の日本は戦争が終わり、新しい国づくりに向けて動き出しているところでした。
過度経済力集中排除法が出された目的は、大きな力を持っていた財閥を解体させることです。
財閥というのは、三菱や三井、住友など今でもよく聞く大きな企業グループです。
GHQはこうした同族経営による大きな力が、日本の市場を動かしていることを不安視していました。
そのため過度経済力集中排除法を整えて、財閥を解散させていく方向に促していったのです。
ただこの施策は一時的なもので、10年経たないうちに廃止されました。
「独占禁止法」と「過度経済力集中排除法」の違い
いずれも企業の一局集中を防ぐ目的でつくられた法律です。
「独占禁止法」と「過度経済力集中排除法」の違いを、分かりやすく解説します。
・現在の「独占禁止法」と過去の「過度経済力集中排除法」
「独占禁止法」と「過度経済力集中排除法」の違いは、時代の差です。
「独占禁止法」は昭和20年代に始まり、令和2年に改定されています。
現在も続いている、現役の法律です。
そして過度経済力集中排除法は、第二次世界大戦が終わった後、急ごしらえで作られた法律です。
当時大きな力を持っていた財閥を、解散させようと生み出されました。
ただ途中でアメリカ側の方針が変わったこともあり、数年で廃止されました。
そのため現在では、過度経済力集中排除法という法律はありません。
まとめると今が独占禁止法、戦後が過度経済力集中排除法です。
独占禁止法は消費者が自由に商品を買えるように制定されたもので、新しい企業が自由にマーケットに入れるように整えられたものです。
まとめ
「独占禁止法」と「過度経済力集中排除法」の違いを分かりやすくお伝えしました。
両者の違いは、時代の差です。
過度経済力集中排除法は財閥解体のために作られた、戦後すぐできた法律です。
そして独占禁止法は現在も続いている、消費者と企業を守るための法律です。