声楽家もオペラ歌手も、歌を歌うことを職業としています。
どちらも同じように思えますが、声楽家とオペラ歌手にはどんな違いがあるのでしょうか。
両者の違いについて紹介します。
声楽家とは?
声楽家とは、声楽を生業としている音楽家のことをいいます。
声楽は元々西洋音楽に用いられる言葉で、簡単に言うと人の声による音楽です。
楽器の演奏による音楽である器楽と対になっている言葉になります。
声楽は主にクラシック音楽の分野で使われています。
クラシック音楽には歌曲や合唱曲、オペラ、カンタータ、宗教曲など色々な種類があります。
現代のポピュラーミュージックや日本の伝統的な音楽である演歌、浪曲などを歌う人は声楽家とはいいません。
その場合には歌手や演歌歌手、シンガー、ミュージシャン、ボーカリスト等の呼ばれ方をしています。
声楽のルーツは中世ヨーロッパにあり、トルーバドゥールと呼ばれた吟遊詩人が宮廷で詩を作り曲をつけて歌ったことが始まりとされます。
また、声楽家は音域によって区別されています。
女声の場合には、ソプラノ・メゾソプラノ・アルトの3種類があります。
最も高い音域がソプラノで、低い音域がアルトになります。
男声の場合には、ソプラニスタ・カウンターテノール・テノール・バリトン・バス・カストラート等があります。
オペラ歌手とは?
オペラ歌手は、声楽家の中でもオペラを専門に歌う人のことをいいます。
オペラは演劇と音楽による舞台芸術で、オペラ歌手による歌唱で物語が進んでいきます。
オペラには台詞などはありません。
オペラはヨーロッパで発展した芸術で、ミュージカルの元になったともいわれています。
日本を題材にしたオペラにプッチーニの「蝶々夫人」があります。
この作品を元に「ミス・サイゴン」というミュージカル作品も誕生し、人気を博しました。
オペラは1600年頃にイタリアで生まれ、当初は貴族など身分の高い人の間で楽しまれていました。
それが大衆にも広まり、様々な作品が生み出されていきます。
今では世界中の劇場でオペラが上演されています。
オペラ歌手の特徴は、マイクを使わずに声を劇場全体に響かせられることです。
ベルカント唱法という歌い方で、呼吸法や横隔膜の働きによって声を響かせることができます。
ポピュラーミュージックや演歌とは、発声方法が全く異なります。
声楽家とオペラ歌手の違い
声楽家は、歌曲や合唱曲、オペラ、カンタータ等クラシック音楽の声楽を仕事にしている人をいいます。
声楽にはオペラも含まれるので、オペラ歌手は声楽家であるともいえます。
その反対に声楽家はオペラ歌手とは言い切れません。
オペラ以外のクラシック音楽を歌っていることもあるからです。
ただし、声楽家の多くを占めているのがオペラ歌手なので、声楽家=オペラ歌手というイメージを持っている人も多いです。
まとめ
声楽家はクラシック音楽で声楽を職業としており、その中にはオペラ歌手も含まれます。