この記事では、「水滴石を穿つ」と「雨垂れ石を穿つ」の違いを分かりやすく説明していきます。
似ている言葉を見分けていきましょう。
「水滴石を穿つ」とは?
「水滴石を穿つ」とは、小さな努力でもコツコツ積み重ねていけば、大きな仕事を成し遂げられること。
わずかな水のしずくでもポタポタ垂れるうちに、しだいに大きな穴を開けられるようになる現象から生まれた言葉になります。
この言葉は「水滴石穿(すいてきせきせん)」という四字熟語に基づいて日本語にアレンジされたものです。
そのため基本の形としては、水滴石穿を覚えておくといいです。
どんなに小さな力もやがては大きな力になることを例えた、前向きなフレーズです。
「雨垂れ石を穿つ」とは?
「雨垂れ石を穿つ」は小さな努力を毎日繰り返していけば、大きな偉業を成し遂げられることをあらわした言葉です。
屋根からしとしと落ちる雨の水が、地面の岩に穴をあけた様子から生まれた言葉です。
枚乗という漢の時代の本に載っていた言葉となります。
「石の上にも三年」や「塵も積もれば山となる」に似ている格言で、日々の苦しい営みもやがては報われる日がくることを述べたものです。
苦しい作業をおこなっていると、ときに諦めたくなるような気持ちになることもあります。
そんな時に思い浮かべたいのが「雨垂れ石を穿つ」です。
「水滴石を穿つ」と「雨垂れ石を穿つ」の違い
「水滴石を穿つ」と「雨垂れ石を穿つ」の違いを、分かりやすく解説します。
・正しい故事成語は、雨垂れ石を穿つ
どちらも良く使われている言葉ですが、正しい言い回しは「雨垂れ石を穿つ(あまだれいしをうがつ)」です。
そのため学校の小論文やテストで述べたい時は、こちらの言葉をつかって説明するのがおすすめです。
「水滴石を穿つ」も間違いではありませんが、水滴石穿という四字熟語をアレンジしたもの。
辞書に掲載されているのは「雨垂れ石を穿つ」になるので、正式な言葉を覚えておきましょう。
ちなみにこの言葉とは別に「点滴石を穿つ(てんてきいしをうがつ)」という言葉もあります。
この場合の「点滴」は病院の薬ではなく、雨のしずくのこと。
そのため「雨垂れ石を穿つ」の同義語として、親しまれています。
努力をあらわす言葉は数多くありますが、日本で親しまれているのは「雨垂れ石を穿つ」です。
ちっとも進んでいないように見える日々も、後から振り返れば大きく前進していることもあります。
焦りや不安が生まれた時こそ「雨垂れ石を穿つ」という格言を思い出して、前向きに頑張っていきましょう。
まとめ
「水滴石を穿つ」と「雨垂れ石を穿つ」の違いを分かりやすくお伝えしました。
広く浸透しているのは「雨垂れ石を穿つ」になります。
「雨垂れ石を穿つ」とは軒先から滴り落ちる雨のしずくが、やがては地面の石に穴を開けること。
小さな努力もいつかは実を結ぶことを教えてくれる、とてもいい故事成語です。