この記事では、「手前勝手」と「自分勝手」の違いを分かりやすく説明していきます。
2つの言葉には、どのような意味と違いがあるでしょうか。
「手前勝手」とは?
「手前勝手」は「てまえかって」と読みます。
「手前勝手」は、「自分の都合の良いようにばかり、考えたり行動したりすること。
また、その様子」という意味があります。
ちなみに「手前」には、一人称の人代名詞で、自分のことを謙遜していう語という意味があります。
ビジネスシーンなどで使うことが多い言葉で、自分の都合の良いよう、仕事相手などにお願いごとをするときに、この言葉を使います。
例えば、依頼された仕事を都合が悪いため断るという状況があるかもしれません。
このようなときに、断りの返事として、「手前勝手ですが、スケジュールの都合で、お仕事をお受けできません」などという文章を作ることができます。
穏便に断りの返事をするため、「自分の都合ばかり優先して申し訳ありません」という意味を込めて「手前勝手」という言葉を使います。
このように、「手前勝手」という言葉を使い、自分の意見を言うことで、へりくだった印象になるため、角が立ちにくくなります。
「自分勝手」とは?
「自分勝手」は「じぶんかって」と読みます。
「自分勝手」は、「他人のことは考えずに、自分の都合だけを考えること。
またそのような様子」という意味があります。
誰かが、自分の都合だけを考えて、わがままに振舞うような場面で、「自分勝手」という言葉を使ってみましょう。
例えば、学校の同じクラスに、わがまま放題な生徒がいて、みんなが迷惑をしているということがあるかもしれません。
この場合は、「自分勝手な生徒のせいで、みんなが嫌な思いをしている」などという文章にできます。
また、自分の家族の中に、自分の都合ばかり優先する性格の人がいる時、「私の家族の中に、自分勝手な性格の人がいる」などという文章を作ることができます。
「手前勝手」と「自分勝手」の違い
「手前勝手」と「自分勝手」の違いを、分かりやすく解説します。
「手前勝手」は、「自分の都合の良いようにばかり、考えたり行動したりすること。
また、その様子」という意味があります。
一方で、「自分勝手」は、「他人のことは考えずに、自分の都合だけを考えること。
またそのような様子」という意味があります。
このように、どちらも同じ意味を持つ言葉のように思えます。
ただし、自分の都合ばかり考えるわがままな人などに対して使う言葉は、「自分勝手」だけです。
ビジネスシーンで、取引先に無理なお願いをするとき、また穏便に仕事や誘いを断りたいときなどに、「手前」というへりくだった表現が入っている「手前勝手」という言葉を使い、自分の都合を伝える言葉になります。
このように、「手前勝手」は、ビジネスシーンで使うへりくだった表現なのに対して、「自分勝手」は、わがままなことを意味するという違いがあります。
まとめ
「手前勝手」と「自分勝手」の違いについて見てきました。
2つの言葉は、使う場面に違いがありました。
2つの言葉の意味と違いを知ることで、ふさわしい場面で、使い分けられるようになりそうです。