同音異義語でもありますが、意味が非常に似ており混同しがちな言葉3つについて今回はご紹介したいと思います。
どれも漢字一文字だけですので、しっかりと意味を理解しなければなりません。
この記事では「元」と「本」と「素」の違いを分かりやすく説明していきます。
「元」とは
これは『物事や事象の原因や始まりのこと』を表している言葉です。
例えば『火事にならないように火元を締める』という表現がありますが、これは火が出て火事の原因を締るという意味になります。
『元』という字は冠を付けた人間の形から出来上がった象形文字であり、かしらの意味を表す言葉になっています。
表現はよくはありませんが、博徒など親分のことを『元締め』といったりしますが、この『元締め』が組織の始まりということもできます。
また、別の意味では『以前の場所や状態』という言い方もできます。
よく『元に戻す』という言葉をつかいますが、これは以前あった状態にするという意味です。
‐「元」の例文
・『本を元の場所に戻してから新しい本を借りてください』
・『元はと言えば全て自分の不注意から始まったことだった』
「本」とは
これは『物事や現象などの根本の部分をなすところ』を指す言葉です。
例えば『ガス漏れの本はどこなのかを探す』というとガスが漏れている根の部分を探すという意味になります。
『本』という漢字は気の根本の部分に印(木の後に1本横線)を加えていることを表した形からできています。
このことからも事柄の根本の部分を意識していることがイメージできるのではないでしょうか。
「本」の例文
・『原因の本を断たなければ繰り返し発生するだろう』
・『勉強の仕方の本を改善することで学力向上が見込める』
「素」とは
これは『物事などを成り立たせるために必要な比較的他と混じっていないもの』という意味を持っている言葉です。
『素肌』と書くと何も化粧などが加わっていないピュアな肌のことを指しますし、『素材』というと製品や作品を制作する際の生のままの原料を指します。
『素』という漢字を紐解くと、蚕のまゆから紡ぎ出したばかりのもとの白い糸の意味から発生しています。
糸の上にある音符は『はじめ』の意味を表しており、これが合体して現在の『素』になっています。
「素」の例文
・『マヨネーズ製造に使われた卵の殻を素にしてチョークができている』
・『この顔料の素は天然素材からできている』
「元」と「本」と「素」の違い
それぞれ『物事などの原因や始まり』、『物事を成す根本』、『物事を成す為の比較的混じりけのない構成要素』という違いをつけることができます。
『元』と『本』は同じ意味として使われることが多いですが、『素』はどちらかというと構成要素的なニュアンスで使われるケースがほとんどです。
まとめ
如何でしたでしょうか。
同音異義語で同じ様な意味、更に漢字一文字しかないという非常に区別するのに厄介な言葉が今回の「元」、「本」、「素」でした。
是非漢字本来の意味をしっかりと理解して使い分ける様にしてみてください。