「デューデリジェンス」と「企業価値評価」の違いとは?分かりやすく解釈

「デューデリジェンス」と「企業価値評価」の違いビジネス・就職・転職

この記事では、「デューデリジェンス」「企業価値評価」の違いを分かりやすく説明していきます。

「デューデリジェンス」とは?

「デューデリジェンス」とは、「M&Aを成功させて利益を出すために行う対象企業の徹底的な調査」を意味しています。

「デューデリジェンス」の直訳は「当然なされるべき注意義務」ですが、M&Aを計画実施するに当たって必ず行わなければならない対象企業のリサーチになります。

「デューデリジェンス」では「買収しようとしている企業の経営・財務・人材・負債・訴訟・将来性・市場価値などにまつわる網羅的な調査」を行うことで、「買収後のリスクが少ないM&A」を実現させようとします。

「デューデリジェンス」は、「その会社の実質的な価値算定・リスク評価を行うための調査」なのです。


「企業価値評価」とは?

「企業価値評価」とは、「M&Aの成功・利益とは関係なく、対象企業の価値を理論・数式に基づいて評価すること」を意味しています。

「企業価値評価」における企業価値・株式価値の計算は、「実際にその価格で売れる評価」とは限りません。

「企業価値評価」はあくまで「合理的な経済人(ホモ・エコノミクス)」であればそのように行動するであろうというシンプルな仮説の前提と経済学理論に基づいて計算されるものになります。

「マーケットアプローチ・インカムアプローチ・コストアプローチ(ネットアセットアプローチ)」の3つの手法を用いて、「理論上適正とされる企業価値」を出すのが「企業価値評価」になります。


「デューデリジェンス」と「企業価値評価」の違い

「デューデリジェンス」「企業価値評価」の違いを、分かりやすく解説します。

「デューデリジェンス」「現実のM&Aで利益を出すために企業を網羅的に調査すること」です。

それに対して、「企業価値評価」「現実のM&Aやマーケットの需給・値付けとは関係なく、理論的に算定されたその企業の価値」を意味している違いがあります。

「デューデリジェンス」には、「実際にM&Aで売買を行うことになる特定の人物の主観的な損得勘定・判断基準」が含まれています。

しかし、「企業価値評価」の場合は「不特定の合理的な経済人と経済学の理論を前提とした客観的な判断・値付け」であるという大きな違いがあります。

そのため、「デューデリジェンス」「M&Aで実際に使用できる調査結果」になりますが、「企業価値評価」「M&Aで双方が合意する確率が低い理論上の企業価値算定」になるのです。

「デューデリジェンス」の例文

・『デューデリジェンスの調査能力のない法律事務所にM&Aの案件を任せても上手くいくことはないでしょう』
・『デューデリジェンスを確実に実行する前の下調べの段階では、その会社の強みと弱みの実態を見抜くことは難しいのです』

「企業価値評価」の例文

・『企業価値評価とは机上の理論を前提とした評価方法なので、必ずしも実際のマーケットでの売値を算定できるものではありません』
・『経済学的な企業価値評価は合理的な経済人が行うとされているため、生身の非合理な要素のある人間が行う判断とはズレが生じやすいのです』

まとめ

「デューデリジェンス」「企業価値評価」の違いについて説明しましたがいかがでしたか?「デューデリジェンス」「企業価値評価」の違いを詳しくリサーチしたい場合は、この記事の解説を参考にしてみてください。