「被害」と「損害」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「被害」と「損害」の違いビジネス・就職・転職

この記事では、「被害」「損害」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「被害」と「損害」の違い

「被害」とは、損害や危害を受けること、また受けた損害や危害のことです。

「損害」とは、そこない傷つけること、損失、受けた不利益のことです。

「被害」の意味の中に「損害」が含まれており、似たようなことを意味しています。

しかし、厳密には同じことを指しているのではありません。

「損害」の場合は、自分自身が「損害」を受けることも、自分自身が「損害」を与える意味も含まれています。

それに対して「被害」の場合は、こうむる、うけるという意味を持つ「被」という漢字が使用されているように、自分が受けるという意味を持っています。

この点が大きな違いです。


「被害」と「損害」の使い方の違い

損ない傷つけるようなことを受けること、身体や物品を損なうようなことを受けることを指して「被害」を使用します。

自分自身が傷つけるようなことをするのではなく、受けることです。

「損害」は、損ない傷つけることをした場合や、それを受けた場合に使用をします。


「被害」と「損害」の英語表記の違い

「被害」は英語で“damage”“injury”と表現をします。

「損害」は英語で“damage”“loss”と表現をします。

「被害」の意味

「被害」には、損害や危害を受けること、また受けた損害や危害という意味があります。

「損害」はそこない傷つけること、「危害」は身体や物品を損なうような危険なことです。

大きな台風が上陸をすると、家の屋根が飛ぶ、窓が割れるなどすることがあります。

これは、家という物が傷ついており、害を受けています。

このようなことを「被害」といいます。

ある農家ではトマトを栽培していました。

もうすぐ収穫できそうな実がなっています。

しかし、収穫する前に虫に食べられてしまいました。

これでは売ることはできず、自分たちが食べることもできません。

トマトというものが傷つけられており、これも「被害」といえます。

「被害」は自分が害を与えることではなく、受けることです。

日本は地震が多い国です。

大きな地震によって建物が倒壊する、津波があって家などが流されるといったこともあります。

このような害を受けることも「被害」です。

「被害」の使い方

利益を失うようなことを受けたり、身体や物などを損なうような危険なことを受けた場合に使用をします。

自分が害を加えることではなく、自分が受けることに使用をする言葉です。

「被」という漢字には、こうむる、うけるという意味があり、このことからも「被害」は害を受けることに使用することがわかります。

「被害」を使った例文

・『地震による被害を調べる』
・『津波による被害を最小限に抑えるための対策を考える』
・『同じような被害報告が何件もあった』
・『地震による被害は今のところ確認されていない』
・『豪雨による被害で収穫量が減る』

「被害」の類語

「被る」が類語です。

「被る」にはいくつか意味があるのですが、その中に災いなどを受けるという意味があります。

「被害」の対義語

「加害」が対義語です。

損害や危害を与えるという意味があります。

「損害」の意味

「損害」には、そこない傷つける、受けた不利益、利益を失うとう意味があります。

「そこなう」とは、傷つける、ものを壊してだめにすることです。

たとえば、車を運転しているときのことで考えてみます。

交差点の信号が赤信号だったため、Aさんは車を停止させていました。

そこに信号を無視して車が突っ込んできて、Aさんが乗っていた車に衝突してきて、Aさんの車が傷つきました。

このことを「損害」といいます。

「損害」を受けているのはAさんで、信号を無視して突っ込んできた車の持ち主ではありません。

信号を無視した車の持ち主からすると、「損害」を与えたことになります。

「損害」の使い方

損ない傷つけるようなこと、利益を失いことを指して使用します。

特に金銭上の不利益についてをいいます。

車の場合は財産で金銭的な価値があるので、金銭上の不利益を受けたということができます。

「損害」を使った例文

・『災害によって大きな損害が出た』
・『慎重に行動をしないと損害を出すことになる』
・『損害を受けたと賠償金を請求する』
・『損害をもたらすような事態は避けたい』
・『損害を与えたとして逮捕された』

「損害」の類語

「損」「損失」が類語です。

「損」には、利益を失うことという意味があります。

「損失」は、そこない失うことの意味がありますが、金銭的なことだけでなく、「○○氏を失ったことは国にとって大きな損失」だのように、惜しむ気持ちで使うこともあります。

「損害」の対義語

「特」が対義語です。

まとめ

「被害」とは損害や危害を受けることで、「損害」と似たような意味を持っていますが、「被害」は受けというニュアンスが強く、「損害」とは若干意味が違います。